肯定的精神姿勢

ずっと遠ざかっていたツイッターで、先日突発的に叫んでしまいました。
KEMURI再結成!
ボーカルの伊藤ふみおのブログを見に行ったら、スカパンクをやると。
嬉しかったですね。
THE JAMが解散してポール・ウエラーがスタイルカウンシルを結成した時、
カッコいいと思いながらもなぜかちょっと寂しい感じがしたものです。
でも僕(今年44歳)より年上の伊藤ふみおは、スカパンクをやると。
それがとても嬉しかったんですよね。

僕ら位の年代になると何だか妙に世の中分かったような気になって、
不条理な事もサラリと受け流せるようになったり、
やる前にで出来るかどうかを考えてから行動するようになったり、
その効率をまず考えたりするようになったりして、
まあそれはそれで良い面もあるのでしょうが、
彼が解散寸前までストレートで青臭い歌詞を歌い続けたのは、
そういう自分や周囲に対するアンチテーゼでもあったような気がするのです。
だから今聞くKEMURIは、決して昔を懐かしむのではなく、
今だからこそ、また心に響くのだと思います。
 
さて今日も元気に半年前の現場紹介です(笑)
去年の今頃も同じ問題で頭を悩ませたキャサリンハムネットのD4057です。
とにかくこの生地、柄が仕上がり寸法内にキレイに納まらないのです。
シェードは柄がストレートに出るので、柄が途中で切れれば見た目も良くありません。
そこで生地のどの部分を取るのかに頭を悩ませるのですが、今回も難問でした。
まずは生地全体の写真です。

1台目は巾159㎝×高さ92㎝のシェード。
150㎝の生地巾ですので1巾では足りず、2巾を継ぎ足して製作するのですが、
一般的な縫製のルールに従って作ると横柄が途中で切れてしまいます。
窓枠の内側に取り付けるので、柄の切れ目に合わせて仕上がり巾を決めることはできません。
そこで、この生地のどの部分を切り取って継ぎ足せば
柄が切れずに巾159㎝のシェードが出来るのかを探します。
裁断前に実際に組み合わせた写真です。
上の写真を見ながら、柄のどの部分をどのように組み合わせたか分かりますか?

向かって左側、通常は生地の端から取るのですが、
2本線のある生地の中央から取っています。
この位置から取ることにより1本線が中央で2本となり、
柄が両端で切れない仕上がり巾のシェードになるのです。
元々のデザインがスポイルされることもありません。

次は幅177㎝×高さ117㎝のシェードです。
こちらも一般的な縫製ルールに従って製作すると、両端で柄が切れてしまいます。
正面付なので寸法を柄に合わせることも考えましたが、
(=柄の切れ目を仕上がり巾にする)
窓に対して大きすぎるため、柄の取り方で調整する方法を採りました。

こちらは左右両方共、生地の途中を使って剥ぎ合わせました。
この取り方でないと巾177㎝で柄の切れないシェードは出来ません。
実際には理想の仕上がり幅はもう少し小さかったのですが、
この生地の取り方と柄位置ならきれいに納まることが分かり、
仕上がり巾を若干大きくしています。
柄の途中でジョイントするので、
あらかじめ加工所には仕上がり具合に影響が出ないかも確認しています。

どちらのシェードも何時間もかけてこの組み合わせを探し出し、
加工所から『こうすればもっときれい』とか『こういう取り方もあるよ』と
返ってきた案をさらに検討して製作しています。
今回は幅が大きな問題となりましたが、
正面付の仕上がり丈も窓に対して違和感のない限界まで長くし、
極力、縦柄も切れないようにしています。

 

こうした『苦労』をせず、お客様には『こうなりますけど仕方ありません』と事前に話しておけば、
何の問題もなく『柄が途中で切れたシェード』を取り付けて終わるのかもしれません。
でもそれをしないのは、
僕ら位の年代になると何だか妙にカーテンの事が分かったような気になって、
不条理な事もサラリと受け流せるようになったり、
やる前にで出来るかどうかを考えてから行動するようになったり、
その効率をまず考えたりするようになったりして、
まあそれはそれで良い面もあるのでしょうが、
それに対するアンチテーゼでもあるのです。

それでは最後に亡きバンドメンバーを歌った『白いバラ』をどうぞ。
最後に伊藤ふみおが言う『どうもありがと』が、とてもイイ。
こういう言い方してしまうよね。

 

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窓際のサイトー について

厚木市のオーダーカーテン専門店+PLAN(プラスプラン)オーナーの斉藤です。単なる生地の組み合わせではない、専門店ならではのプランニングをご提供します。ブログでは、そんな私とスタッフの日々の仕事ぶりを綴っています。
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