私がまだ高校生の頃、
無いお金を絞ってよく原宿に言っていました。
当時はデザイナーズブランド花盛りの時代。
丸井にはメンズ館なんてのもあって、
全ての階がデザイナーズブランドで埋まっていました。
でも、当時の私には何故かそれは軽薄な印象に映りました。
単なる服に過ぎないような妙な感じ。
その違和感の正体が分かったのはBEAMSを訪れた時です。
服の向こうに生活シーンが浮かぶような感じがしたのです。
悲しいかな、棚に置かれた素敵な服は高校生には買えなかったので、
ヘインズのTシャツを買ってあのオレンジのバッグをもらって
満足していましたが(笑)。
私たちが扱うカーテンもとても似たことが言えます。
「高い」ことがこだわることではなく、
自分たちの生活にフィットすること、そのために大事にしたいことや不要なこと、
そんなことをカーテンで表現できると、とてもくつろげる空間になります。
M様は「自然の光で起きたい」というご希望でした。
既にご入居済みで、仮に掛けられていたカーテンも遮光ではなく、
並んだ小窓には何もつけていませんでしたが、それでもご不便はなかったそうです。
ネイビーのアクセントクロスにはフレッドペリーのロゴのような模様があり、
まさにBEAMSのような、大人のアメリカンカジュアルな印象です。
そこで、ご予算を抑えたいというご要望を叶えつつ、こんな風に仕上げました。
目指したのはホッとドックプレスやPOPEYEに乗っていそうな寝室。
アメリカンではあるけどビンテージのようにハードではなく、
西海岸風ではあるけどカリフォルニアスタイルではない、
そんなちょっと懐かしい感じのする大人のカジュアルです。
カーテンはポロシャツのような素材の無地に、
少し古着っぽいカジュアル感のあるテープを縫い付け。
小窓は「風は入れたい」というご要望も踏まえ、
シェードにはせずカフェカーテンにしました。
カーテンが単なる「素敵なお部屋」ではなく、
住む方のライフスタイルと密着していること。
それはきっと、価格の高い物やブランド品を買うことよりも、
もっと大切なこだわりだと思います。
そして、そんなお手伝いを出来たらと私たちも願っています。