ここ数年、とっても人気のあるウイリアム・モリス。
婦人雑誌の付録に端切れがつく号は、ほぼ完売になるほどです。
インテリアに関することがある種のブームになることは嬉しいことなのですが、
その一方でちょっと複雑な想いもあります。
そうして脚光を浴びれば浴びるほど、『雑に扱われる』ことがあるからです。
お客様ではなく販売側が。
モリスと言うのは一見、間口が広そうなので色々なお部屋に合わせることが出来ます。
でも本当にモリスがベストなのかどうか、
そこをきっちり考えてこそモリスの生地は生きると思っています。
明るく、でも決して軽くはないクラシックのお部屋にアネモネを付けました。
エレガントでも単なるクラシックでもない、この生地の世界観は
モリスでしか作れないと思います。
一見、珍しくなさそうで探すと絶対にない柄と言えます。
そんなアネモネの生地を活かすように、オレンジのバイアステープを付けました。
もう1つは本格的な輸入住宅の大和市のK様。
赤茶系の床に、パイン系の天井というカントリークラシックなお部屋です。
こげ茶系の生地を合わせると違和感も出ますし、色の印象としてクラシックさが強すぎます。
そこでお勧めしたのがハニーサックル。
女性らしい雰囲気になるよう、4連窓のシェードの裾はデザインカットを施しました。
お部屋に置かれる家具のボリューム感に負けないよう、
バイアステープを付けて存在感をプラス。
『モリスでも合う』ではなく、『モリスだからこそ合う』お部屋。
そしてお客様のイメージにより合うようにアレンジをして仕上げました。
モリスは『美しくない物は家に置いてはいけない』と言いました。
ここで言う、美しくない物とは雑に作られた物という意味でもありますが、
お部屋に合っていて住む人に快適さをもたらすものとも言えます。
これからもモリスを丁寧に扱いながら、その素晴らしさを伝えていきたいと思っています。