私たちカーテン屋が一つの家のプランを考える時、
色やデザインの流れを気にします。
リビングから和室、二階へ上がり主寝室から子供部屋へ。
そうした住む方の動きに合わせて違和感なく色やデザインが流れていくこと。
急な変化がある場合は、どこかのお部屋で調整することもあります。
F様のご新居には、一つ一つのお部屋にテーマがありました。
スタッフがプランを考えた時、やはり『流れ』は意識しました。
でも、それではF様の思い描いた部屋とは離れてしまいます。
この点についてスタッフと私で、かなり話し合いました。
辿り着いた結論は、『F様のイメージを優先しよう』。
と言うより『その世界にガンガン突っ込もう』でした。
階段を上がった壁面には素敵なクロスが貼られていました。
そんなクロスと同じ空間にある縦長の窓をシンプルにまとめたりは、しません。
グレイス16にその世界観を繋がせて、
(同じ太さでも他のレールではダメなのです)
柄物と無地のレースを一体縫製で。
あえてグリーンという色を合わせないのことがポイントです。
この世界観に『うまくまとまった感』はマイナス効果なのです。
さすがスタッフ。分かってます。
6つの小窓は縦方向に3分割して、
それぞれに白の装飾レールを。
それぞれの窓を際立たせるために、レースは個別のかカフェカーテンにしました。
価格を抑えたいお部屋でもありますが、
だからと言ってプランのクオリティまで下げてしまうのはもったいないこと。
こうすることで女の子らしいカワイさも生まれます。
主寝室は一気にシックに。
ビンテージ風のカーテンと、バンブーブラインドの組み合わせです。
F様の家をやらせて頂いたのは、実は半年以上も前になります。
でも、その後何度もスタッフと私の会話の中に出ています。
時には今抱えているお客様のプランに悩んだ時、
時には今までしたことのない方法をご提案する時。
もしかすると、何かを『越えた』のは私たちなのかもしれません。
F様、海外生活を終えられたら、また是非遊びに来てくださいね。