この仕事をしていると、
『これどうやって取り付けよう?』と悩む現場に出会うことがあります。
『出来ません』と言ってしまえば楽なのですが、
なぜか『絶対方法があるはずだ』と燃えてしまいます(笑)。
大抵の場合、方法を見つけるまでが大変で、
工事自体は案外すんなりと終わってしまうのですが、
工事終了時にカーテンよりもブラケットを見てニヤニヤする姿は異様です(笑)
今回のM様の現場もそうでした。
木製レールがご希望だったのですが、
問題は真壁(柱が見えている仕上がり)ということです。
しかも、モルタル下地。
一瞬ビスが効くような感触なのに実は効かない、
というカーテン屋泣かせの下地です。
それなら木製レールだけ柱に打ってはどうか?というのが次の手なのですが、
入り隅が2ヶ所ありそれもできません(柱の露出部分が少ないため)。
3窓のうち1窓はクローゼットとの干渉もあります。
半間一対の折戸で窓から逃げていく開き方なので、
ブラケットを少し内側に止めればよいのですが、
そうすると斜め打ちして柱にビスを効かすことが出来ません。
『さすがに木製レールは無理かな』と思いましたが、
やっぱり今回も…燃えてしまいました!(笑)
で、完成です!
片側はお客様に了解を頂き、柱に止めました。
柱のない側は、
ブラケットと同じ寸法で柱の出っ張り分の木材を塗装したものを用意し、
それを横から柱にビスで止め(ビス頭が見えないよう補修材で埋めました)、
そこにブラケットを止めました。
クローゼットと干渉する窓(写真右)は木材2枚分の巾にして少し内側に止め、
扉を開けても当たらないようにしてあります。
機能性レールは長押のチリを考慮してロングブラケットを使用。
こちらは普通に真っ直ぐビスを打っても効かないので、
長めのビスで上斜めから長押に止めました。
エアコンの関係で取付位置を低くせざるを得ない状況でしたので、 出来た方法です。
一般の方にはほぼ何を言っているのか分からない言葉の羅列かもしれませんが、
職人への事前説明もこんな感じです。
ちなみに説明への返事は、『なるほどね。分かった』で終了です。
今回もまたカーテンよりブラケットを見て一人悦に浸ってしまいましたので、
今当店で一番人気のこのカーテンの話はまたの機会に(笑)