カーテン屋が受ける仕事の一つに丈ツメや巾ツメなど、
今あるカーテンを作り直す作業があります。
業界ではこれらを総称して 『修理』 と呼んでいますが、
一般の方からすると違和感のある呼び名です。
もちろん有料でお引き受けするのですが、
どちらかと言うと、お客様サービスの一環という感じです。
修理には、加工所への指示や現在の寸法の確認、
梱包して加工所へ送る作業、お客様との内容の打ち合わせや注意点の確認など、
完成までのプロセスが多く、リスクも伴うからです。
でも…それに見合った金額はなかなか言いにくいものがあります(苦笑)
今回はそんな修理の中でも、私も初体験の現場をご紹介!
お得意様のIさんのお宅です。
先月Iさんがご来店され、ある相談を受けました。
『家を増築しているんだけど、今のカーテンを新しい窓に使いたいんだけど…』
と言うことでした。
拝見すると、何と世界でも最高級の高級カーテン『フィスバ』です。
詳しくお聞きすると、この窓分以外にも同じカーテンがもう1窓分あり、
増築した部分は家の中でも存在感のある場所になると言う事で、
Iさんご夫婦と私とで、あれこれと相談した結果こんな感じに修理しました。
両サイドにネクタイ付きのスペシャルスワッグ!
上部の上飾りは、1窓分余っていたカーテンで作りました。
Iさんにもとっても喜んでいただき、
翌日またご夫婦でお礼に来てくださいました。
『やって良かった』と私も嬉しくなりました。
今回の修理はあまりにもリスクが高いのでお断りしようと思ったのですが、
Iさんご夫婦の、この生地への思い入れの強さにお引き受けしました。
Iさんご夫婦はフィスパをご存知ではなかったのですが、
ご購入の際には東京まで足を伸ばして徹底的に選ばれたそうです。
そして10数年経った今、
『なんとか新しい部屋にも使いたい』と思われているこのカーテンは、
世界最高級の幸せ者だなあと思います。