ブログというのはWEB LOG(ウエブ・ログ)の短縮形で、
ログという言葉は日々更新という意味だそうです。
ヤバイ!最後に更新したのが2週間も前でした。スイマセン。
今回で地味~な機能性レールの話は終わりです。
最後にちょっと変わった取付をした現場を紹介しましょう。
上の写真は最近工事をしたMさんのお宅です。
3間半の窓が直角に2つある、という広い縁側です。
掃き出し窓と欄間窓の上に無垢の柱(丸太)があるのですが、
そこにレールを着けて欲しいというご要望でした。
通常なら…断ります。
日本建築では柱に命があるという考えを大工さんが持っており、
そこにビスを打ってレールを取り付けることは出来ないのです。
ただ築年数が長く、Mさんも全く気にしていないので 引き受けることにしました。
問題は、どうやって付けるか?です。
築年数の長い広縁の窓は、実はカーテン屋泣かせです。
長い築年数、無垢の床、無垢の窓枠、幅の広い窓、という4条件が重なると、
両端で2cmほど丈が違うことが多いからです。
今回の現場もまさにそのケースでした。
おまけに取付面が平坦ではありません。
そこで、トーソーの取付金具No9を通常とは反対向きに付け平坦な面を作り、
そこにレールを付ける事にしました。
短いNo2ではなくNo9にしたのは、ブラケットが『おじぎ』しないためです。
取り付け位置は一旦全て床から『墨出し』し、
すべての位置が直線になっているかを確認し、
そこから数mm単位で調整するという方法を取りました。
ブラケットの数はカーテンの重さを考慮して多めに付けています。
そして完成したのが下の写真です。
アジャスターフックを何も調整しないで、3間半の窓にバッチリ納まりました。
今回のようなケースはまだシンプルな方で、
以前は『鉄骨にビスを打たずにレールを付けてくれ』なんて難問もありました。
下の写真がその工事写真です。
SG1という電器工事屋さんが使う金物を使って鉄骨を挟み、
それにレールを付けています。
この金物を見つけるまでに2週間位かかりました(苦笑)。
装飾レールと違って目立つことはありませんが、
取付箇所を選ばず、毎日使っていることすら忘れさせる快適さを持つ、
そんな機能性レールだからこそ完成した現場と言えます。
引退間近の時、ストックトンはこんなことを言っています。
『毎日やらなくちゃいけないことを一つづつこなしていく。ただそれだけのことさ』
2つの現場の機能性レールから、同じ言葉が聞こえてくるようです。