昨日のブログでも触れましたが、
カーテンのアジャスターフック(以下AJフック)にも、様々な種類があります。
マニアックだけど奥が深い、AJフックの世界をご案内しましょう。
(写真右から順番に①~⑤として説明します)
①が一般的なAJフック。
②は当店の均一カーテンの約5割に使用しているタイプ。
③も当店の均一カーテンの約4割に使用しているタイプ。
④は当店の一般のオーダーカーテンに仕様しているタイプ。
⑤は一部メーカーが使用している縫込みタイプ。 です。
②~⑤はある共通の目的で作られています。
・カーテンをかけた時に前倒れ(山の部分が『おじぎ』してしまう)を防ぐ
・カーテンをかけた時に山が正面を向く
・カーテンの開け閉めの際に、山部分にかかる重みを点ではなく線で受ける
の3点です。
②と④のフックは『とばし縫い』と言い、
山の裏側を2cmほど縫わずに穴を開けたような状態にし、
そこにもう一つの小さいフックを差し込みます。③もそれに似た縫製仕様です。
フックも高く縫製の手間もかかるので、採用しないメーカーが多いですが、
カーテンをかけた時の美しさが違うんですね。
丈の長いカーテンの場合、
開閉の繰り返しでフックが曲がってしまうなどのトラブルも激減します。
『表からは見えないし、お客様もAJフックなんて気にしないだろう』と、
コストダウンに走るのか、細かいところにこだわって作るのか、
メーカー・販売店の姿勢がAJフックを見れば良く分かります。
カーテンと縫製の関係は、素材と料理に似ています。
手間と時間を惜しまずに作ることで、
素材は同じでも出来上がりは変わるんですね。