素敵な短所との付き合い方

インテリアと言うのは家の最後の仕上げということもあり、
空間の短所を補正する役割を担うことがあります。
思ったより狭く感じるので広く見せたい、
道路と近いので家の中が見えないようにしたい、などもそうです。
でも短所を補正すると、また新たな短所を生むことがあります。
今回ご紹介するM様邸は、
そんなお客様が感じられた短所を上手くプランに活かした現場です。

まずは施工写真から。
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M様の廊下に取り付けたのは仕上がり巾323㎝の長~いシェード。
使いやすいようにセパレートタイプにしています。
狭い空間を広く見せるのは濃い色や大柄を使わないのがベーシックな手法ですが、
それでは面白みに欠けてしまいますので、一部だけを色違いにしてアクセントにしました。
使用した生地は150巾で横リピートが50㎝。
1巾に柄パターンが3列入っていることになります。
この生地で片側161.5㎝のシェードを作る場合、
150㎝の生地巾では足りませんので2巾を使って161.5㎝に仕上げますが、
それでは両端で柄が切れてしまいます。
そこで、右半分は1巾を三分割してから左右を逆にして余白部分でサイズの仕上がり不足分を補い、
中央の紺色は逆に両端を少しカットして柄のバランスを取りました
左側半分は生地を1巾使い、さきほどの紺色のカット分を両端にはぎ足して161.5㎝に。
ジョイント位置はリングテープの縫い付け位置と合わせているので目立ちません。
この作り方ですと一般的な作り方より1巾少なくすることができ、
なおかつ柄が切れることなく、きっちりとシェードに収まります。

そしてこちらの現場ではもう一工夫。
間に挟まれた紺の生地は、この窓の奥のお部屋にも使われています。
通常、お部屋のドアを開けていることが多いのですが、
それだとウオークインクローゼットが丸見えになってしまうのがM様のお悩みでした。
そこでその開口部にこの生地をパネルカーテンで塞ぎました。

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開口部が斜めになっているので、出窓に使うカーブレールを使いました。
使いたい時はお部屋とウオークインクローゼットの間の壁面に収まります。
開いている時も閉じている時も見えることで、
廊下のアクセントに入れた同色の生地が浮かず、奥行き感を出すことができました。
短所を単純に消すのではなく、見方を変えて活かしてあげることで空間は大きく変わります。
長所と短所って、もしかしたらコインの裏表のようなものかもしれませんね。

窓際のサイトー について

厚木市のオーダーカーテン専門店+PLAN(プラスプラン)オーナーの斉藤です。単なる生地の組み合わせではない、専門店ならではのプランニングをご提供します。ブログでは、そんな私とスタッフの日々の仕事ぶりを綴っています。
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