N様が最初にご来店されたとき、カーテンの明確なイメージはお持ちではありませんでした。
ヨーロピアン調の家具で揃えられていること、ブルーの生地を使いたいこと、
大きな吹き抜けの窓があり、悩んでいること。
お聞きしたのはこの3点です。
一般的にはその3つを頼りにお店のサンプルから選ぶことになります。
でも、それでは良いプランは出来ません。
私たち販売側が現場を見て、お店では伝えられない何かを感じ取って初めて、
N様の家にあったプランを提供することが出来るのです。
早速、完成形を見て頂きましょう。
まずは吹き抜け。
上部には3つのパーツから成るフラットバランス。
エレガントなブルーのダマスク柄と無地を組み合わせ、
カーテンの内側にもブルーを入れました。
全てブルーではくどくなりますし、無地ではあっさりとし過ぎてしまいます。
そのバランスを取りながら、N様のお宅を象徴するようなデザインを考えてみました。
ダイニングもこのデザインで続きます。
そして階段。
リビングダイニングからの流れを感じつつ、
違いを出したい場所でもあります。
上部のフラットバランスのデザインは揃えつつ、
中央にブルーを入れた切替のシェードにしました。
シェードの裾はバランスの曲線と合うようにデザインカットしています。
もし仮に、N様の3つのヒントを頼りに、あのまま生地を選んでいたら、
こうしたご提案は出来ません。
カーテンは購入機会が少ない商品ですので、
お客様が理想のイメージを持つのは難しいことです。
でもそれは、理想のイメージが無いという意味ではありません。
うっすらと、ぼんやり見えているその光景は、
私たちが現場を見て、お客様と話していくことで初めて、
明確に見えてくるものだと思います。
そしてそこにこそ、私たちの存在価値もあるのだと思っています。