前回に続きY様邸のご紹介です。
イタリアンモダンのリビングから、アフリカへ飛びます。
こちらはご主人のお部屋です。
奥様が揃えられた小物と絵画。
そんなイメージから、日没前のアフリカの風景をお部屋に再現できないかと考えました。
空、雲、大平原、民族衣装、動物たち…
様々な色が少しづつ少なくなっていき、。
緊張感がほぐれていく時間。
大人の男性がくつろぐための時間を演出することが狙いです。
アフリカっぽい生地であれば良いというワケではありません。
続いてはアンデスへ。
奥様のお部屋です。
女性のくつろぎは、男性とは違うかもしれません。
女心は私の苦手分野(苦笑)ですが、
大人っぽく、そして女性らしいかわいらしさがあることを念頭にご提案しました。
ご主人のお部屋も奥様のお部屋も、元々はお子様のお部屋です。
大人になり独り立ちした後に親が抱える寂しさ、
そんな気持ちを上げてくれるような部屋にすることが、
実は今回の裏テーマでした。
絵に合う、雑貨に合う、壁紙に合う、確かに大事かもしれません。
でもY様がカーテンを変えようと思ったのはなぜだろうと考えた時、
それは絶対に避けてはいけないことだと思いました。
リビングの下に位置し、
美しい丹沢の山々を望む部屋には、くつろぎの空間を。
少し緊張感を伴うリビングに対しての、
くつろぎのセカンドリビングというイメージです。
庭には長年人生を共にしたワンちゃんが居ます。
そのワンちゃんは、残念ながら私が撮影に伺った時には亡くなっていました。
Y様ご家族に愛されて、きっと幸せな一生だったと思います。
MY LIFE AS A DOGの中には、主人公を取り囲む色々な人が出てきます。
淡々として当時は退屈としか感じなかったあの映画は、
実はその淡々とした日常に存在する人たちの大切さを描いていたのかもしれません。
帰り際に、表札の上から顔出すワンちゃんの写真を見て、
そんなことを思いました。