いきなり本題から入ってしまいますが、結論から申し上げますと、
当店では木製ブラインドのメインをタチカワブラインドに変更しました。
理由はまずプーリーを残したことです。
これは操作の左右転換を可能にする為に『結果的に残すことになった』とも言えますが、
もし『必要以上の軽さ』(←これ重要)が必要ないのならプーリーはあった方が便利です。
そして、操作性を『適度に』(←これ重要)軽くしたこと。
83cmの仕上がり丈を上げきるのに12回の操作が必要なトーソーさんに対し、
タチカワさんは6回です。しかも決して重くは感じません。
窓が非常に大きい場合は考えますが、通常私共がよく販売する大きさでは、
この軽さと操作性が丁度良いあんばいだと思います。
タチカワさんの新メカも、操作を軽くするためギアは大きくしています。
しかも、プーリーを残していますので奥行きは増えるはずなのですが、
この問題を工夫で解決しています。
左が旧メカ、右が新しいメカです。
左のプーリー中央にある白い部品(クラッチ=バネ)が右にはありません。
新メカではプーリーを薄くする為に本体内部に移っているのです。
タチカワさんによれば、
この部品が内部に移ることでバネにこすれず、操作性も軽くなるそうです。
また、旧メカでは膨らんでいた表面形状を平らにしています。
デザインを変えなければ、トーソーさんと同じ奥行き96mmのはずです。
これによる違いはほんの2・3mmですが、
奥行き94mmなら納まる天付けが96mmだと納まらないケースが実際にあるのです。
知っていてこだわったのでしょうか?
見ていただくと一目瞭然ですが、
ギアを大きくしたのでヘッドボックスの奥行きは新メカ(左・こげ茶)の方が大きいのに、
プーリーを含めた奥行きは新メカの方が薄くなっています。
また、ヘッドボックスからバランスまでの距離も新メカは近くなっています。
ギアはトーソーさん同様、複数個の小さいギアで大きいギアを廻す方法です。
旧メカ(左・ピンク)は1つになっています。
左右転換にするにはギアは両面2つが必要になることもありますが、
これにより、よりスムーズな操作が行えるのです。
ギアがより細かくなっているのも分かります。
もう一つは、アルミブラインド同様、高さ調整が出来ること。
木製ブラインドの発注単位は4cm単位のため、
理想の仕上がり丈と合わない場合があります。
取付位置を数cm高くすることで解決することもありますが、
2窓以上ある場合は片方だけ高くするわけにもいかず困ります。
これは寸法に厳密さが必要な天付けだけではなく、
正面付けの場合も便利な機能と言えます。
バランスの飛び出し調整は主にネット販売等、
販売者の詳しい説明がなくお客様が取り付ける場合は便利かもしれません。
私たちカーテン屋が使うケースではバランスの微妙な反り調整でしょうか?
あれば安心な機能ですね。
直して欲しい点があるとすればラダーテープの位置でしょうか?
これはスタッフTさんが気付いたのですが
タチカワさん(上)よりトーソーさん(下)の方が格好良く見えます。
でも今回のモデルチェンジはキャッチコピーを作るためではなく、
使う方の身になった本当の意味での『改良』だと思います。
タチカワさんに拍手!