振り返れば誰が居る?

当店の近郊エリアは丹沢・大山の玄関口に位置するためか、
今流行のロードレーサー(と言うのだろうか?)を多く見かけます。
以前、その趣味をお持ちのお客様にお聞きしたら、
何と1台ウン十万!もするそうで、びっくりしました。
いくら何でも自転車にウン十万って…
走っている方の大半はどうも私と同世代で、
いわゆる『ROADMAN(ロードマン)』世代です。
12段変速のギヤは当時の小学生の憧れでした。
どんな坂でもグングン上がっていけるあの爽快感!
と言っても私は持っていなくて、
それどころか友達Kとオンボロ自転車で走っていて3m下の川に落ち、
Kはその話を『さいとう君のケガ』というタイトルで作文に書いてしまい、
県のコンクールで入賞してしまったというトラウマまであります。

『振り返ると、さいとう君がいません』
って、人が川に落ちた話をそんなリアルに書かなくても…

最近ブラインド業界でも、
『軽~いギアでラクラク操作』というのが流行です。
特に木製ブラインドは、スラット(羽根)の重量の関係で、
各社こぞって新しいメカを出しています。
大手3社とも理屈は同じでギア比の変更がメインです。
ニチベイ・トーソーはプーリーも無くしました。

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シャフトの回転に対して平行にコードを操作することで、さらに軽くなるためです。

下の写真はトーソーのものですが、
軽く滑らかな操作性を実現するために、
小さな4つのギアで大きなギアを廻す仕組みになっています。

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でも、ここまで軽い操作が本当に必要なのでしょうか?
自転車と同じで、ギアを軽くすれば進む距離は短くなります。
当社のサンプル(トーソー社製)で試したところ、
高さ83cmの木製ブラインド(羽根幅50mm)を上げ切るのに、
何と12回もコードを操作しないといけません。
基本的にブラインドはスラットの開閉だけで一日過ごせるのがメリットですが、
掃出し窓やベランダ窓に取り付けた場合、
外に出るのに一体何回操作すれば良いのでしょうか?

トーソーの場合、ギアを大きくしたためにヘッドボックスが大きくなり、
一般的な窓枠の内側に取り付ける場合、
バランスが出っ張ってしまう寸法になってしまいました。
カタログには他メーカー同様、下の写真のような対応策が紹介されています。

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これは窓枠がクロスと同じ白だからまだ良いのであって、
とてもお勧めできる方法ではありません。
今回の改良?を私が残念に思うのは、
『操作がとっても軽くなりました』というキャッチコピーありきで突き進み、
振り返るとユーザーは置いてけぼり、という感があるからです。

結局当店では、今回のこの 『軽さ競争』 を契機に、
木製ブラインドの主力販売メーカーを見直すことにしました。
あまりマニアックな話を長々とすると、
『振り返ると誰もいません』ということになるので、続きは次回に(笑)

窓際のサイトー について

厚木市のオーダーカーテン専門店+PLAN(プラスプラン)オーナーの斉藤です。単なる生地の組み合わせではない、専門店ならではのプランニングをご提供します。ブログでは、そんな私とスタッフの日々の仕事ぶりを綴っています。
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