どんな風になるのか

D様とはもう7年位のお付き合いです。
最初は他店でご購入頂いた商品のアフターでした。
その後も何かご必要なものがあると声を掛けてくださいましたが、
家を建ててまだ10年程でしたので、
『家を新築するからカーテン頼むね』と
図面を持ってこられた時はとても驚きました。

とても明るいD様ですが、5年程前にご主人との悲しい別れがありました。
お焼香に訪問する際、お香典を渡すことに何となく違和感を持っていた私は、
その数日前に朝日新聞の読者投書欄で紹介されていた
無名の詞を封筒に入れてお渡しすることにしました。
投書をした読者の方もタイトルが分からず、
その詞のフレーズをパソコンで検索しても
2つの個人HPしかヒットしなくて困ったのを今でも覚えています。

インテリアが趣味のD様ですので、今回のお部屋もサスガの仕上がりです。
家作り当初から『チューダー調にしたい』とはおっしゃってましたが、
そのテイストのアイテムを集めて『いかにも』という感じにしないのがD様流です。
今回買われたテーブルも無垢の一枚もので、和テイストの物です。
これにティファニーのステンドグラスとアンティークの家具、
モダン風にも見えるダークレッドのファブリックソファを合わせるそのセンスには脱帽です。
そして仕上げはウイリアム・モリス!

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3連・2連の窓にはシェードとカーテンを正面付けしていますが、
もちろん事前にカーテンとの干渉はお話ししてあります。
他の方法もご提案したのですが、結局この方法になりました。
装飾タッセルはベースカラーのグリーンでもポイントカラーのダークレッドでもなく、
敢えてピンク(サンゲツFU583)にしました。
女性的な仕上がりにするためです。
色の似たクッション(五洋インテックスIM3840)を置くことで、
このピンクが浮かないよう工夫してあります。
クッションをモリスと共布にしないことで出来たのが
テーブルランナーと椅子用の座クッションです。

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テーブルランナーのキータッセルは
カーテンのタッセルと同じシリーズの同色で合わせました。
クッションは飛騨家具で有名な飛騨産業のものを加工所に送ってカバーを作り、
中のウレタンのみ飛騨産業から取りました。
私とD様で幾度となく打ち合わせを重ねて細部まで決めたプランでしたが、
家具との組合せも複雑な為、納品日までどんな風になるのか心配でした。
こうして素晴らしい部屋となり正直ホッとしています。

D様の現場にはこれ以外に最後の仕上げがありました。
レールと同じクラストの中間サポートを4個壁に取り付ける工事です。
そこにはご主人の愛用していた2本のドライバーが飾られます。
ご主人が千の風になったかどうか、私には確かめる術がありませんが、
もしそうなっていたとしたら、少しはお手伝いができたかなと思っています。

窓際のサイトー について

厚木市のオーダーカーテン専門店+PLAN(プラスプラン)オーナーの斉藤です。単なる生地の組み合わせではない、専門店ならではのプランニングをご提供します。ブログでは、そんな私とスタッフの日々の仕事ぶりを綴っています。
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