選ぶ意味 選ばれる意味

例えば人が何かを決める時、
自分が決めたように思っていることの殆どは、本当はそうではないような気がします。
私の仕事に関して言えば、まず家。
どの工務店・ハウスメーカーにするかに始まり、床の色やクロスの柄もそう。
それは季節や時間が決めさせたのかもしれないし、その時の精神状態かもしれません。
自分では気づいていない何かが要因となって、
決めていることの方が多いのではないでしょうか。
そして、私はそういう決め方が好きです。

私はお客様がカーテンを選ばれるにあたって、まずお部屋のテイストをお聞きします。
ナチュラルなのかモダンなのか、それともクラシックなのか。
でも、その後は出来るだけお客様に選んで頂くようにしています。
そこにはお客様も気づいていない意味があると思うからです。
そして、その生地が窓の大きさや構成に合わなければ、
それを合うようにご提案するのが私の仕事だと思っています。

ただ一つだけ、ナチュラルだけは違います。
「ナチュラルにはアイボリーかベージュ」という先入観が、
お客様が生地を決める「意味」を消してしまうからです。
今回ご紹介するK様も、最初はそうした色を希望されていました。
選ばれた生地をご自宅で合わせたらよく似合いました。
私が同意したら決まっていたと思います。
でも、思い切って言ってみました。

「色を入れてみませんか?」

生地は最初から選び直し。
私も全てのカタログを引っ張り出して、「色のある」生地を探しました。
家だけではなく、K様のイメージで。
完成したのがコチラです。

お勧めしたのは五洋インテックスの「ララ(SD5138)」。
後ろから差す陽の光が生地の魅力を引き出して、
明るく落ち着いたナチュラル感を演出してくれます。
腰高窓は窓上にエアコン用の電源が来ていましたので、
K様がご希望されている機種を教えて頂き、
私が電器屋さんに見に行ってサイズやルーバーの動きを確認。
その後施工業者さんの所へ行き、納まりを事前に確認して設置してもらいました。
エアコンの関係でレールの高さがそこだけ低くなってしまうので、
掃き出し窓と腰高窓のカーテンは裾や上部からの柄合わせはせず、
床からの柄位置を合わせて、ボーダーが段違いにならないようにしています。
タッセルが柄を殺さないよう、カーテンと同じ位置にくるように房掛けを取り付けました。

 

 

 

 

 

 

 

 

K様にもとっても喜んで頂き、
数日後お礼のメールを頂きました。
「工事をしていただいた晩は、カーテンを眺めながら美味しくお酒をいただきました。」
お客様が当店を選んでくださった意味もまた、きっとあるのだと思います。

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年末年始の営業について

当店は年内29日まで営業しておりますが、
明日24日~29日までは年末の納品が集中しているため、
ご予約のお客様のみの対応となっております。
誠に申し訳ございませんが、宜しくお願い申し上げます。
尚、新年は5日より営業致します。

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一年経って、そしてこれから

言い訳から始まるのが定着しつつあった私のブログですが、
とうとうそんなことすら忘れ去られそうな程、更新が開いてしまいました(苦笑)。
このブログは5年前に始めましたが、
当時は別のお店でカーテン担当として勤務していました。
一年前に今のお店を開業する際に全て消去して新たに始めようかと思ったのですが、
大変お世話になっている業界の先輩から
「これは財産なんだからそのまま続けた方が良いよ」とアドバイスされ、
そのまま継続しています。
今さらながらホントに消さなくて良かったなあと思います。
たとえば今ならツイッターとかフェイスブックとか、色々なネットツールは他にもありますが、
この仕事をする上で最もお客様に伝えたいことを書けるのがブログのような気がします。
今後は定期的に更新できるように…せめて1カ月に1回、いや2カ月に1回…
まあ…その…無理のないように頑張ります(笑)。

さて、今日ご紹介するのは厚木市のM様の現場です。
クラシカルかつエレガントな雰囲気にまとめました。

リビングに掃き出し窓が1つ、ダイニングに縦長の窓が5つという構成で、
出来栄えを落とさずにいかにお安く仕上げるか?がテーマでした。
均一カーテンのドレープにトルコ製の刺しゅうレースを合わせ、
掃き出し窓は箱ヒダのバランスに。
ダイニングは外から見られにくい環境に位置していることから、
5連の窓はレースをポール通しのカフェカーテン風に仕立てました。
レースはドレープとの相性もさることながら、
一重吊りでも日常生活に支障の無い透け感のものを合わせています。
5連窓がレースだけになることで重くなり過ぎず、
お部屋の中にメリハリが出来ることも考慮しています。

ドレープは均一カーテンですが、バランスにはこだわりました。
(と言うより加工所が頑張ってくれました)
箱ヒダのピッチと横柄リピートを完ぺきに合わせています。

レースは曲線を描いた裾がどの部分から始まりどの部分で終わるかまで指定して製作しました。

M様にもとても喜んで頂き、ブログにも掲載して頂きました。

http://dolcevita-sana.blogspot.jp/2012/02/plan.html

僕がこの仕事をしていてずっとテーマにしていること、
図らずもMさんへのメッセージに書いていました。
これからもずっとこのテーマで頑張っていこうと思います。
それからMさん、ブログに僕のこと職人って書いてあるんだけどそれ違(笑)

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忘れないでほしい 知ってほしい

月末にちょっと遅いお盆休みを3日間取り、南三陸へボランティアに行ってきました。
行きたいとも、行かねばとも違う、
この一年半ずっと抱いていた感情に背中を押されるままの強行日程です。
自宅を朝の9時に出発して、到着したのは夕方。
車で街を一回りしましたが、その状況は私の想像を遥かに超えるものでした。
破壊された堤防、躯体がむき出しのまま解体もされていない鉄骨ビル、
基礎だけを残して跡形もなく消えた街並みは草木が生え、
遠目には荒れ果てた野原のようでした。
「被害」そのものより、「復興」とはほど遠いその景色に言葉を失いました。
連日のようにメディアで流された震災関連のニュースや話題も無くなった今、
そこにはまるで日本中から置いて行かれたかのような寂しさがありました。

宿泊先では地元の方の集まりが開かれていました。
共に行った母が、お風呂でその内のお一人から声をかけられました。
「どちらからですか?」
被災地を見に来たという行為が地元の方にどう受け止められるか心配しながらも、
「神奈川からです。息子がボランティアに行くというのでついて来たのですが…」と母は答えました。
するとその方は、
「ありがとうございます。見に来てくれるだけでいいんですよ。この状況を知ってもらえるだけで」と
おっしゃったそうです。

忘れないでほしい。知ってほしい。

翌日私と息子は災害ボランティアセンターへ向かいました。
担当したのは瓦礫処理です。
住宅の基礎に入り込んだ土砂から大きな石や瓦などを分別し、土砂を取り除いていきます。
土砂の表面から数センチ下は黒い土の層でした。
燃えて変色したのだと気づくまで数分かかりました。
色々な物が出てきました。
食卓を行き交ったであろう茶碗やお皿、誰かの指を飾ってたであろう指輪、焼けて変色した10円玉…
1年半もの間、土砂の中でそのままだったのです。
一日が終わりボランティアセンターの方が参加者に挨拶をしました。
「皆さんにお願いがあります。帰ったらこの状況を友人や周りの人に話してください。
南三陸の復興は遅れており、この状況を知らない方が多くいらっしゃいます。どうかお願いします」

忘れないでほしい。知ってほしい。

私と息子がボランティアに行っている間、
母と妻と次男は気仙沼に行っていました。
鉄道はまだ完全に復旧しておらず、バスでの行程です。
思いのほか時間がかかり、現地でゆっくりする時間もなくタクシーを拾いました。
すると運転手さんは「お客さん、10分間時間ありますか?」と聞いたそうです。
復興が進まない気仙沼の状況を象徴する場所を見て欲しいからでした。

忘れないでほしい。知ってほしい。

当初、私は長男と二人で行く予定でした。
ボランティアを出来ない家族は連れて行かない方が良いと思ったからです。
でも、今回の件で色々と情報を教えて頂いた熊谷さん(後述)から、
「被災地の方々はとにかく見て欲しいと言ってる。この状況を知ってほしいって。
 だから是非ご家族で来て」と言われて一緒に行くことにしました。
ボランティアに行くことも特に誰にも言わずにいるつもりでした。
ただ行ってするべきことをし、そのまま帰って元の日々に戻るつもりでした。
たった一日ボランティアに行っただけで何かを知ったようなことをいうのは憚られるし、
どういう言葉を使ってよいのかも分からなかったからです。
でも、最後にボランティアセンターの方が言った言葉を聞いて、
このブログにも書くことにしました。
それまで一枚も撮らなかった写真も、最終日の朝、再度街へ出て撮ってきました。

カーテン業界では、熊谷安利さんが中心となって行っている「南三陸ミシン工房」http://www.facebook.com/#!/mishinkoubouの
活動を支援しています。今回、私も熊谷さんの案内で仮設住宅に作られた工房に伺ってきました。
私自身、全然お力になれていない状況ですが、業界の皆々様の変わらぬご支援を宜しくお願い申し上げます。

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素敵な言葉に(笑)をつけてはいけない

気が付くと前回の更新から一か月以上経ってしまいました。
僕のブログは基本「誰も読んでないでしょ」というのがスタンスで、
実際、訪問者数も一日に20人程度という過疎ブログです。
しかもその8割は同業者(あるある)。
書いている本人もその居心地の良さにどっぷりとはまっている感があります。
正直なところ始めた頃は、ブログを書けばお客様は沢山来るものだと思っていましたが、
そんなことは悲しいほどになく、その内「どうせなら好き勝手書こう」と思って今に至ります。
まあ「何で名刺の「代表」という役職名の後に(笑)ってついてないの?」って言われるような人間ですから、
それもまたいいのではないかと。てか、そんな役職があるか!
まじめな話、誰かに何かを伝えたいというより、
少し時間がたって当時の自分と話をしているような感じです。
自分との対話…大人だなあ。

さて今回ご紹介するのは、そんな私のブログをご覧頂いていたN様の現場。
ご新築のマンションを購入され、そのカーテンをご依頼頂きました。
まずは完成写真をご覧ください。

ハーレクインの人気生地「ポッド」をベースに、
アイボリー、ブルー、グリーンをカーテンとシェードに部分的に採り入れました。
そしてこのプラン、何がすごいってお客様のデザインなのです。
パワーポイントにお部屋と生地の写真を取り入れて、ほぼ完璧にデザインされました。
お前は何もやってない?
いやいやいやいやいやいやいや…え~と…いやいやいやいやいやいやいや…
そりゃあこれだけ多種の生地を使うのですから、作るのだって大変だったのです。
それは加工所?……いやいやいやいやいやいやいやいや(笑)

まあこうして冗談半分に言っているのは、私のとっておきのこだわりがあるからで、
ちゃんと細かなところに気を配っているのです。
奥に見えるシェードは窓の高さが違うのですが、
仕上がり高さを同じにすることで柄部分と裾の寸法を合わせています。
前幕は柄の出方に違和感がないよう、
事前に寸法と生地を取る位置を調整して製作しました。
後幕のレースは同じ丈にすると窓から下がりすぎる(長すぎる)印象になるため、
通常の長さに指定しています。

この場合、長さの違いに違和感を感じるのは、
両方の幕体が下りている状態を横から見たときだけですので、
前幕を下ろした時の自然さを優先しました。
それだけ?いやいやいやいやいや(笑)

それじゃあ最後にとっておきを。
北欧の人気生地、マラガを使った寝室です。

 
奥の小窓はマラガをシェードに。
柄の切れ目によって現れる横のラインを仕上がり丈に合わせて柄出しもバッチリ。
半リピートずらすことで1巾2分割で柄合わせができるという加工所のアドバイス、
じゃなくって…まあ当然僕もそのつもりだったんですけど…
嘘?いやいやいや…まあその通りですけど(笑)
でもデザイン自体は僕が以前にやった施工例をお客様が気に入ってくださったのだから、
ちゃんと私のオリジナル。
単なる焼き直し?本人は特に苦労してない?
いやいやいやいやいやいや………君ちょっとそこに座りなさい。

*ちなみに、ひたすら「いやいやいやいや」と言っているのが当時の私で、
 冷静につっこみを入れているのが今の私です。自分との対話(笑)

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肯定的精神姿勢

ずっと遠ざかっていたツイッターで、先日突発的に叫んでしまいました。
KEMURI再結成!
ボーカルの伊藤ふみおのブログを見に行ったら、スカパンクをやると。
嬉しかったですね。
THE JAMが解散してポール・ウエラーがスタイルカウンシルを結成した時、
カッコいいと思いながらもなぜかちょっと寂しい感じがしたものです。
でも僕(今年44歳)より年上の伊藤ふみおは、スカパンクをやると。
それがとても嬉しかったんですよね。

僕ら位の年代になると何だか妙に世の中分かったような気になって、
不条理な事もサラリと受け流せるようになったり、
やる前にで出来るかどうかを考えてから行動するようになったり、
その効率をまず考えたりするようになったりして、
まあそれはそれで良い面もあるのでしょうが、
彼が解散寸前までストレートで青臭い歌詞を歌い続けたのは、
そういう自分や周囲に対するアンチテーゼでもあったような気がするのです。
だから今聞くKEMURIは、決して昔を懐かしむのではなく、
今だからこそ、また心に響くのだと思います。
 
さて今日も元気に半年前の現場紹介です(笑)
去年の今頃も同じ問題で頭を悩ませたキャサリンハムネットのD4057です。
とにかくこの生地、柄が仕上がり寸法内にキレイに納まらないのです。
シェードは柄がストレートに出るので、柄が途中で切れれば見た目も良くありません。
そこで生地のどの部分を取るのかに頭を悩ませるのですが、今回も難問でした。
まずは生地全体の写真です。

1台目は巾159㎝×高さ92㎝のシェード。
150㎝の生地巾ですので1巾では足りず、2巾を継ぎ足して製作するのですが、
一般的な縫製のルールに従って作ると横柄が途中で切れてしまいます。
窓枠の内側に取り付けるので、柄の切れ目に合わせて仕上がり巾を決めることはできません。
そこで、この生地のどの部分を切り取って継ぎ足せば
柄が切れずに巾159㎝のシェードが出来るのかを探します。
裁断前に実際に組み合わせた写真です。
上の写真を見ながら、柄のどの部分をどのように組み合わせたか分かりますか?

向かって左側、通常は生地の端から取るのですが、
2本線のある生地の中央から取っています。
この位置から取ることにより1本線が中央で2本となり、
柄が両端で切れない仕上がり巾のシェードになるのです。
元々のデザインがスポイルされることもありません。

次は幅177㎝×高さ117㎝のシェードです。
こちらも一般的な縫製ルールに従って製作すると、両端で柄が切れてしまいます。
正面付なので寸法を柄に合わせることも考えましたが、
(=柄の切れ目を仕上がり巾にする)
窓に対して大きすぎるため、柄の取り方で調整する方法を採りました。

こちらは左右両方共、生地の途中を使って剥ぎ合わせました。
この取り方でないと巾177㎝で柄の切れないシェードは出来ません。
実際には理想の仕上がり幅はもう少し小さかったのですが、
この生地の取り方と柄位置ならきれいに納まることが分かり、
仕上がり巾を若干大きくしています。
柄の途中でジョイントするので、
あらかじめ加工所には仕上がり具合に影響が出ないかも確認しています。

どちらのシェードも何時間もかけてこの組み合わせを探し出し、
加工所から『こうすればもっときれい』とか『こういう取り方もあるよ』と
返ってきた案をさらに検討して製作しています。
今回は幅が大きな問題となりましたが、
正面付の仕上がり丈も窓に対して違和感のない限界まで長くし、
極力、縦柄も切れないようにしています。

 

こうした『苦労』をせず、お客様には『こうなりますけど仕方ありません』と事前に話しておけば、
何の問題もなく『柄が途中で切れたシェード』を取り付けて終わるのかもしれません。
でもそれをしないのは、
僕ら位の年代になると何だか妙にカーテンの事が分かったような気になって、
不条理な事もサラリと受け流せるようになったり、
やる前にで出来るかどうかを考えてから行動するようになったり、
その効率をまず考えたりするようになったりして、
まあそれはそれで良い面もあるのでしょうが、
それに対するアンチテーゼでもあるのです。

それでは最後に亡きバンドメンバーを歌った『白いバラ』をどうぞ。
最後に伊藤ふみおが言う『どうもありがと』が、とてもイイ。
こういう言い方してしまうよね。

 

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チャンピオンベルトと素敵な部屋

巷では何やら『金環日食』が話題だったようで、専用の眼鏡がとても売れたようです。
ハレー彗星の時もそうでしたが、こうした天体ショーが人間の予測通りに訪れるって不思議です。
ただ私もこうした事象・現象を予測することは得意で、
あまり得意気に言うと角が立つので小声でひっそりと言いますが、

『5月・6月は閑散期です』(爆)

繁忙期の頃は仕事から店に戻ると、疲れて一時間位ボーっとしてしまうのが常で、
そんな時はいつもパワーの出る映像をYouTubeで見てから事務作業に入っていました。
その殆んどはスポーツなのですが、
その中でも繰り返し見ていたのが大好きなボクサー、畑山隆則選手のこの試合。

畑山選手はこの試合の前に世界タイトル戦に挑戦して惜しくも引き分け。
十分な手ごたえを得て、本来なら次の挑戦時期を考える時です。
対するコウジ有沢選手は、この階級無敵の日本チャンピオン。
ジム側からすれば『畑山の次、もしくは階級を変えて世界挑戦』
と言うのがシナリオでしょう。
でもこの二人、『今、どっちが日本で一番強いのか』を賭けて戦うんです。
ただ実力は明らかに畑山が上で、コウジ有沢の諦めない気持ちが心を打ちます。
ハードパンチで鳴らした無敵の日本チャンピオンが、
数々のノックダウンを奪った右ストレートを封印して
ひたすらにボディーを打ち続ける姿は何とも言えません。
そんな彼の本気さを正面から受け止めて打ち合う畑山もまた。
そして、試合後に喜びを爆発させる彼の姿は
『人が何かに挑むのは、その結果や象徴を手に入れるためではなく、
その瞬間の感情を手に入れるためだ』
ということを教えてくれます。

本日ご紹介する現場です。

均一カーテンのドレープに川島織物セルコンのレースの組み合わせです。
お客様がどんなお部屋にされるのか、ご購入予定の家具の事も含めて、
じっくり時間を掛けてプランニングしました。
窓の広さを活かして、ヒダのキレイさが強調されるように、
レースにも形態安定加工を付けました。
納品時、お客様から思わず拍手。
私も嬉しくて一緒に拍手。
半年前のことですが、今でも忘れられない現場です。

ともするとブログでご紹介するのは、
ちょっと変わったことをした現場になりがちで、
業界としても『そうあるべきだ』という傾向にあるのですが、
あくまでもそれは選択肢の一つです。
その選択肢も用意したいといつも思いながら仕事をしていますが、
その方が『上』だとは思いません。
お客様が欲しいのは『素敵な部屋という結果』じゃなく、
『その瞬間に得られる感情』だと思うんですよね。

 

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ちょっと違うとだいぶ違う

つい先日、テレビで『風の谷のナウシカ』をやっていたようで、
ネットでも色々な方が話題にされていました。
あの映画がいつ出来たのか正確には知りませんが、
今でもこれだけの話題になるのはスゴイことです。
と言っても僕はちゃんと見たことが一度も無くて、
なぜか途中から10分ほど見て止めたことが過去に5回ほど。
理由は、あのでっかい虫みたいのが怖いからです(笑)。

宮崎アニメとの初めての出会いは『ルパン3世・カリオストロの城』だと思うのですが、
ルパンにはちょっと恥ずかしい思い出があります。
学生時代、先輩に『サイトー、モノマネとか出来んの?』と聞かれたので、
『峰不二子の真似が出来ますけど』と言ったらとても珍しがって『是非是非』と言うので、
私は自信満々にやりました。

『ふ~じこちゃ~ん』

しかし、自分としては快心の出来だったのに、
なぜか反応が良くありません。

『あれ?似てません?』
『いや、そう言うんじゃなくて……それ、ずっとやってたの?』
『ええ、そうですけど』
『それ…峰不二子じゃなくて、ルパンがふ~じこちゃ~んって言ってんじゃね?』

いや~あれには参りました(笑)
ほんのちょっとしたズレなんですが、全く自分で気付いていなかったんですよね。
こういう方、おそらく全国にたくさんいらっしゃるのではないでしょうか?
(ナイナイ)

さて今日はこの半年間のカーテンの施工例の一部を一気に御紹介します。
当店では均一カーテンというお手頃価格のシリーズを販売しており、
今回御紹介するのは全てそのシリーズでの施工例です。

まずはK様の寝室。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

かわいいピンクの花柄カーテンの裾に無地を合わせました。
ベースが白のカーテンはともするとボケてしまうことがありますが、
こうすることで適度なインパクトを持たせることが出来ます

お次はS様の寝室。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

モダンなサークル柄のカーテンをシェードにしました。
やはりそのままではボケてしまうので、中央のシェードは両脇に、
左右の小窓は端に黒のボーダーを。
柄合わせは全く同じ位置ではなく、左右対称にしています

お次はアクセントクロスが貼られた主寝室。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

お客様はシックな遮光カーテンを選ばれましたが、
それではアクセントクロスの壁面が同化してしまいます。
そこで、無地をベースに一部分だけ同じ生地を使ったシェードにしました。

お次はリビング。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

掃出し窓は両サイドをオレンジのボーダーにしたカーテンに。
3連窓は同じ生地の組合せを交互に配置したシェードにしました。
ボーダーの余り生地をシェードに使い、少しでも価格が上がらないよう工夫しています。

お次はカワイイ子供部屋。

くろすの色に合わせて裾を別色に切り替えたカーテンに。
男の子のカーテンはタッセルをブラウンにしてクロスと合わせた感じを強調しました。
裾が短めなのはお客様のご指定です。

お次は柄物をフォーカルポイントに使ったリビング。
掃出し窓のカーテンは色を合わせたサイドボーダーにしました。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

ちなみにこの小さなシェード、柄とサイズを無理なく合わせるため、
私が最初の柄位置を決めるまでに数時間、
さらに加工所から別の柄位置を提案してもらい、
その二つの案を土台にさらに話し合って決めています。

お次は最近の現場。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

こちらもサイドボーダーですが、
柄物は一つの生地を二分割、ボーダーのブラウンは三分割して
コストアップを最小限に抑えました。

まだ続きます(笑)
ご夫婦の趣味のお部屋として使う洋室。
生活感や性別を感じさせない色の組み合わせにしました。
腰高窓しかないので裾のブラウンは短めにしています。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

最後は色違いを組み合わせたお部屋。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

白では冷たい、黒では暗い…
そこで反対色になっていることを利用してそれぞれの窓に色違いを使いました。

どのお部屋もお安い均一カーテンをベースにしていますが、
ただ単に『安い』だけの仕上がりにならないよう工夫しています。
均一カーテンはともするとその価値が低く見られがちですが、
ちょっと違う観点から考えれば、
『安い』からこそ多くの方にワンランク上の楽しさを提供することができるのです。
そしてそのアイデアはその昔友人から
『お前みたいな体育会系は脳みそ筋肉で出来てるからな』
と褒められたことのある私が頑張って考えていきたいと思います。
彼の言う通り、他の人と違って贅肉でできてる訳じゃあないんです(キリッ)

 

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ワイルドを見逃して!

気が付いたらブログの更新が2か月も滞っていました。
知らない間に桜は咲いて散ってるし、
プロ野球は開幕してるし、
今年も無事にGWがあったらしいというトコまでは知っているのですが、
世の中の動きに付いていけてないトコもチラホラ。
中でも全く理解できないのが『ワイルドだろ?』とかいう流行語です。
リアルで一度も見たことが無いので、どう反応して良いか分からないのです。
流行語というのは一種の所属願望や連帯確認の表れなので、
『その言葉に慣れ親しんでいない感じ』というのは明らかに場の空気を乱します。
まあ、そういうの得意ですが(笑)

さて夏の足音も聞こえてきたこの頃ですが、
今回御紹介するのは半年前に施工させて頂いたO様の現場です。
ブログのネタが半年前…ワイルドだろ(笑)
無地系、ストライプ、北欧という流れからO様が辿り着かれたのがボラスのロック、ブラック色でした。
家作りの段階ではインテリアの明確なイメージが決まっていない方が多く、O様もそうでした。
その際にクロスや床の色だけを頼りにカーテンを選んでしまう方が多いのですが、
私がお勧めするのは
『お部屋の完成形をイメージして、そこにかかっていたら素敵なカーテンを選ぶ』方法です。
その為に様々な写真や資料をご覧頂いて、イメージを明確にしてからカーテンを選んで頂くこともあります。
O様との打ち合わせも、その部分に最も時間を割きました。
納品したのがコチラです。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

掃出し窓と腰高窓にはボラスのロックを。
その間の滑り出し窓はロックに似た流れるようなラインがレーザーカットでデザインされた
ロールスクリーンを取り付けました。
カーテンの柄は『上部もしくは下部(裾)の柄の始まりを合わせる』方法ではなく、
ロックの流れるラインが違和感なく見える割合を重視しています。
カーテンレールはトーソーのグレイス16を合わせました。

お次は二宮町のS様の現場。
当店の人気生地の一つ、スパイスポッドを選ばれました。
と、そこまでは良かったのですが、S様のお部屋には大小合わせて4つの窓があり、
全て同じ生地では単調ですし価格も高くなってしまいます。
そこで北側の小さい窓はスパイスポッドをプレーンシェードに。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

ベランダ窓と腰高窓はお安い無地で色を合わせたサイドボーダーのカーテンにしました。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

シェードは柄が途中で切れない寸法をあらかじめ確認して発注し、
無地のカーテンは生地幅の関係で価格がプラスにならないものを選んでいます。

一つのお部屋、一つの現場を仕上げるには打ち合わせから採寸、発注まで
多くの時間と手間がかかります。
時には一部屋のプランを決めるのに何日もかかったり、
時には一枚の発注書を書くのに何時間もかかったり。
とても緻密で手間の掛かる作業が多いのです。

だから時には車のサイドミラーが壊れてテープでグルグル巻きにしないといけないとか、
時にはコーヒーをこぼしてパソコンが壊れるとか、
時には買ったばかりのアイフォンを六回も落として液晶がバキバキになるとか、
時にはお湯を沸かすのが面倒で水にコーヒーいれてレンジで温めたらやりすぎて
レンジの中が大変なことになるとか、
時には台拭きで顔を拭いてスタッフに怒られるとか、
多少のワイルドさは見逃して欲しいのです。
厄年終わったはずなんだけどなあ(苦笑)

 

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夜食の効果は星3つ

既にクセになっているのだと思いますが、
夕方になるとついつい何かを食べてしまいます。
だいたいパターンは決まっていて

①マクドナルド(チーズバーガーと照焼マックとアイスコーヒーのS)←自分へのご褒美
②コンビニパスタ(大皿限定)←パスタ依存症の禁断症状があるがお金がない
③ブリトー←運転しながら低額で高カロリー摂取
④カップラーメン(隣のスーパーで98円均一)←月末(笑)
というパターンです。

特にブリトーは20代からの愛用食で、
夕方になると必ず会社近くのコンビニで買っていました。
『きっと俺って、ここのバイトの人たちに「ブリトー」ってあだ名付けられてるよな』
と思っていましたが、そんなことはお構いなし。
『あ、またブリトー来たよ…まるごとバナナなんて見てるよ。買わないのに。
どうせお前が買うのブリトーだろブリトー…おっ、今度は菓子パン…って結局ブリトーかよ!』
というレジのお兄ちゃんの心の声を聴きつつ、結局ブリトーを買うこのダイナミズム!
習慣化した行動パターンの裏側で、こんな妄想ドラマを炸裂させていたものです(笑)

さて今日は、そんな夜食の力を借りて、
夜遅くまでプランニングを考えた4つの現場をご紹介。
まずは当店で人気の装飾方法の一つ、逆吊り(フロントレース)です。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

手前には川島織物セルコンのPL7044、後ろにはグリーンの無地という組み合わせ。
掃出し窓はカーテン、3連窓と上げ下げ窓はダブルシェードにしました。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

和室と洋室がつながるリビングをどのようにまとめるかが
お客様とお話ししたテーマでした。
色を合わせたプリーツスクリーンも候補に挙がりましたが、
シェードなら洗濯が出来ること、
『和』ではなく『ナチュラル』なイメージをご希望だったことから
ダブルシェードとなりました。

お次は色違いのブラウンをお納めした現場。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

窓構成や床の色が先ほどご紹介した現場と似ていますが、
ダブルシェードではなく木製ブラインドを合わせました。
お客様のイメージが『明るいナチュラル』ではなく、
『ちょっとシックな和モダン寄りのナチュラル』だったからです。
カーテンレールはエリートのMキャップ。
木製ブラインドやカーテンと色を合わせました。

生地は変わって、こちらはフジエテキスタイルのFA1606BR(リーフシェード)を
使用した逆吊りです。バックにはパープルの無地を合わせています。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

小窓を含めて5つの窓があるリビング。
この生地を全ての窓に使うのはちょっとウルサイ…。
そこで3つの小窓をプリーツスクリーンにしました。
上部のシースルー生地はFA1606BRの色と合わせ、
下部の不透明生地はカーテンのバック生地と合わせています。
小窓をプリーツスクリーンにすることでメリハリができ、
2つの窓の逆吊りがより引き立つ効果があります。
カーテンレールは既に取り付けられていたものを使用しています。

最後もFA1606BRを使用した逆吊りです。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

1間半の掃出し窓が1つ、1間の腰高窓が2つあるリビング。
先ほどの現場と同様、3窓とも同じではちょっとウルサイ…。
でもこちらはプリーツスクリーンではなく、
色を合わせた無地のレースを合わせました。
お客様がシックなイメージをご希望だったこと。
外からのプライバシー保護に必要な機能が、
レースの方が合っていたことなどが理由です。

今回ご紹介した現場は、同じ生地を似た状況のお部屋に使用しています。
でも、装飾方法まで同じではありません。
窓の大きさ、家族構成、プライバシー保護に必要な機能、
そしてお客様がイメージされるインテリア。
そんな微妙な違いを積み重ねていくと、プランは大きく変わっていきます。
『この生地でこんな部屋ならこの方法』と言ったパターンは存在せず、
だからこそ私は夜食の力を借りて夜な夜な頭を悩ませるのです(笑)。
でもその甲斐あって、全てのお客様からお褒めの言葉を頂くことが出来ました。
今回の現場、星3っつです!

 

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カテゴリー: その他, 逆吊り・フロントレース | 夜食の効果は星3つ はコメントを受け付けていません