宴の後

インテリアファブリック業界最大のイベント、
ジャパンテックスに行ってきました。
事前に頂いた招待状の出展者リストを見る限り、
例年より淋しい感じになるのは否めないかなと思っていましたが、
残念ながら 『ある意味』 それは当たってしまいました。

でも、出店企業数や来場者数だけがイベントの成功基準なのでしょうか?
お金をかけた豪華なブースが会場を埋め尽くし、
『何だか良く分からなかったけど色々見れて楽しかった』的な感想を持って
何万人の人が帰るより、例えその半分でも、今後の仕事に活かせる『何か』を
手にして帰る人がいた方が良いのではないでしょうか。
新商品を並べて説明員を配置する従来型の手法を踏襲すれば、
景気の良い会社が豪華で活気のあるブースを作れるのは当たり前で、
それがジャパンテックスでの評価になるのは仕方のない面もありますが、
もっと色々な手法だってアリだと思うのです。
まあ、『もうちょっとお金かけたほうが…』とさすがに思った棒メーカー、
じゃなくて某メーカーは別にして(笑)
おそらく参加者は、『商品を見る』ブースしかないからそうしているのであって、
それだけを期待しているのではないと思います。

それから今年の特徴は何と言っても、セミナーの充実度!
受けたい内容のものがたくさんあり、選択に迷ったほどです。
私は、

・カーテン夢工房の小嶋様のカーテンクリーニングのセミナー
・グランデコールの加藤様とHEシステムの宮地様が講師の経営セミナー
・スタイリングプロの前畑様、森様、寺田様の窓装飾に関するセミナー

の3つを受講しましたが、非常に勉強になる内容でした。
今この業界を牽引している方というのは、
同じ場所に居るだけでも刺激になるような空気感がありますが、
自分が今後しなければいけないこと、それはセミナーの内容だけではなく、
同じ業界にいながら講師となっている方と受講している私との違いは何なのだろうか?
ということを含めて、非常に勉強になりました。
それともう一つ、西垣ヒデキ様、南村弾様、NOSIGNER様、新井香奈様の
トークセッションも素晴らしかった!
西垣ヒデキ様が最後におっしゃった
『私たちの仕事とは何か?』
『業界で働く者としてどんな目標を持つべきか』
という言葉には感動しました。
それを聞けただけでも、ジャパンテックスに来た意味があったように思います。

そして最後に、私にとっては今年のジャパンテックスで最大のイベント。
インテリアブロガーオフ会に参加してきました。
こちらは、書きたいのだけれどちょっと止めときます。
正直、まだあの時のハイな気分が抜けきれず、うまく書けそうにありません。
この業界には、これだけの熱い思いを持った先輩方が居るということ、
私と同世代でこれだけ頑張っている人がいるということ、
そんな素晴らしい方々とあんな風にきさくに話しができるということ…
本当に素晴らしい時間でした。
参加者の皆様、本当にありがとうございました。
そして主催してくださった小嶋社長様、本当にありがとうございました。

 

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遅く起きた朝は

昨日はお休みでしたが、最大8m!の強風の為釣りを断念。
用事があって行けなかった先週は絶好の釣り日和だったのに…
もうこうなってくると、
何か恐ろしく巨大な組織が私に釣りをさせないよう動いているとしか思えません。
果たしてCIAかKGBかAKBか(笑)
結局9時位にダラダラと起きてきて、ネットを見ながらさらにダラダラと。
このままじゃいかん!と、私に気合を入れてくれる映像を『ヘビーローテーション』。

やっぱり魁皇でしょ。
磐石な体勢で寄り切る貴乃花に対し、
右上手を持ったら土俵際でも豪快にぶん投げる格好よさ!
世間では『優しすぎる怪物』なんて言われてますが、
あの賭博騒動の時、琴光喜の復帰を望むコメントを出したのは魁皇だけです。
日本人最上位という立場でありながら、
それを公式に話すことがどれだけ勇気の要ることか。
魁皇はいつだって私に勇気をくれるのです。

さて、話は変って今日はビジックの現場です(変りすぎだろ!)
当店の展示を見て一目惚れしてしまったT様の寝室です。
遮光性もなく、生地の間から光漏れがあることも十分ご承知の上で、
『やっぱりこれを付けたい!』とおっしゃって頂きました。
まさに寝室はビジックで磐石の体勢ですが、私たちの仕事はここからです。
『いいじゃん!いいじゃん!そのままで』と、
私の耳元で囁く悪魔の右上手を持って豪快に投げ飛ばし、
次のお打ち合わせでちょっとしたご提案。
色々なカタログをとっかえひっかえ見ているときに、
思わず『BINGO!』と叫んだこの生地。
T様にも気に入って頂き、採用して頂きました。

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ニチベイのロールスクリーンロベール・ル・エロのシリーズから、
N5057・ブラン色を合わせました。
全てをビジックでまとめれば、きれいに納まるのは分かっていますし、
提案することでリスクも負わなければいけません。
私もこの仕事に就いて10年以上。もう『Beginner』ではありませんから、
失敗しても『言い訳Maybe』という訳にもいきません。
緊張して施工確認に伺いましたが、
T様ご夫妻から勿体無いほどの感謝の言葉を頂きました。
ありがとうございます。
思わず私も『涙サプライズ!』(笑)。

 

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クラシカルな逆吊り

今日はまず、この写真から。

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クラシカルな柄のドレープと金糸の刺繍レース。
そのまま掛けてもキレイな組合せですが…

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逆吊りにしてみました。
ドレープはシェードにして窓枠内側に、レースはカーテンにして部屋内側に。
レースの透け感があまりないことを利用してのプランです。
実際には刺繍レースのゴールドがもっと目立つのですが、写真では写らないのが残念!
カーテンレールはグレイス16のゴールドQキャップ。
房掛けはグレイスではちょっとテイストが違うので、ロワールを合わせました。

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シェードを上げきった時のタタミ代がレースと干渉する可能性もあるので、
ブラケットはエキストラシングルにしています。
東側の滑り出し窓はダブルシェードにしました。

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こちらは逆吊りではありませんが、逆にこの方がリズム感が出て良いはず!
という確信のもとにお勧めしました。
広いリビングなので、全てレースが手前ではボヤける感じがしたからです。
後幕のレースは裾を活かした幕体縫製にしています。
そして最後は、東側に位置する巾350cmの造作出窓。

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グレイス16はポールの直径の関係で2間窓は出来ないことになっています。
しかし、どうしてもグレイスを使いたい…
そこで、直径14mm・長さ1820mmのステンレス管を買って来て、
グレイスのポールの内径に合うよう布テープを巻きつけて中に入れてあります。
事前にチェックしてからご注文を受ける形を取りましたが、
これが驚くほどに効果があり、全く問題ありませんでした。
レースカーテンは、価格が変らない範囲で2つの窓の余裕分(%)が
同じになる最大の寸法で作っています。
カーテンを閉めた時は余裕分が均等になることはありませんが、
開けているときのボリューム感を優先しました。
もちろん、お客様にはご了解を頂いています。

この窓をスタートに、
逆吊り→通常の順序のWシェード→逆吊り→通常の順序のWシェード
と異なる窓装飾を交互に施すことで、広いリビングにリズム感が生まれます。
逆吊りの窓は、
夜はドレープのシェードを下げてレースを開けておく(両脇に寄せておく)ので、
昼夜問わず統一感は損なわれません。

元々は全然違うお話から始まった、今回のクラシカルな逆吊り。
納品時にお客様から、『誰の家より私の家が最高!』と言われたときは、
本当に嬉しかったです。
やっぱり、あの時函館観光して正解だったかな(笑)

 

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人生を変える4時

人に物事を伝えるとき、
どうすれば相手に強く印象を残せるか?ということが重要になります。
でも、美味しい店の名前や面白いドラマの番組名等と違って、
時間を印象付けることは非常に難しいのです。
そんな時は例え話が良いかもしれません。

今から15年前のこと。
今はカーテン屋として立派な社会人になっているSさん(神奈川県在住)は、
北海道の公務員試験を受けに函館にいました。
バイクで行くことも考えましたが、
試験会場を通り過ぎて本州最北端まで行ってしまう可能性もあり、
あえて夜行バスで行きました。
終点の青森から青函連絡船に乗り函館へ。
予約していたビジネスホテルに泊まり、前日は『おやすみ3秒』で熟睡。
万全な体調で当日を向かえ、試験会場へ向かいました。
午前中は筆記試験。自分、じゃなくてSさん曰く、良い出来だったそうです。
昼休みをはさんで午後は面接。
試験官に『1時30分にまた会場へ来て下さい』と言われ、外へ出ました。

函館は私、じゃなくてSさんがもっとも好きな街の一つです。
でも、ゆっくり見ることはなかったので、散策することにしました。
乗ってみたかった路面電車に乗り、適当な場所で降りて適当に歩く。
何だか自分がそこの住人になったような気がして、
ふと角を曲がると自分の家があるような錯覚に陥りました。
路面電車が来たので再び乗車し、また適当な所で降りて散策する。
気付くと4時でした。

『とっくに試験終わってんじゃん』

あの時Sさんが、試験を受けに函館に来ていることを忘れていなかったら、
今頃カーテン屋さんをやってはいないでしょう。
さあ皆さん、時間は脳裏に焼きついたでしょうか?
4時です!

11月7日(日)の午後4時から、
元フジテレビアナウンサーの山中秀樹さんをナビゲーターに、
インテリアファブリックスを題材にした番組が放映されます。
ゲストは麻木久仁子さんと坂下千里子さん。

インテリアファブリックス協会が、
低迷するカーテン業界の活性化を目的として企画した番組です。
リフォーム実例やインテリアファブリックスの紹介、
一流ホテルのインテリアなど、カーテンに関わるトピックスが紹介されます。
これからカーテンを購入される方にも、非常に参考になると思います。
是非、ご覧になって下さい。

媒体名:BS朝日
番組名:インテリアは素晴らしい 
    ~心を育むインテリアファブリックス~
放映日:11月7日(日)
放映時間:PM4:00~5:00

しつこいようですがもう一度、4時です!
遅刻すると人生が変るかもしれません。
Sさんと違って悪い方に(笑)

 

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眠れない夜は

人に自慢できる特技というものを持たない私ですが、
あえて言うならすぐ眠れることでしょうか?
妻は『おやすみ3秒』と言ってますが、
いつも、寝床に入ってからの記憶というものはありません。
数年に一度ちょっと眠れない時がありますが、
好きな漫画を読んでいる内に眠くなります。
11月16日は、久しぶりにそんな夜になりそうです。

ジャパンテックスに合わせて行われるインテリアブロガーオフ会のメンバーが、
主催してくださったカーテン夢工房の小嶋社長様からの連絡で分かりました。
これだけのメンバーとお会いできる機会はありませんから、
恥をさらけだして刺激を受けてこようと思っています。
迷っている方がいらしたら、是非参加してみてはいかがでしょうか?

今年のジャパンテックスは、例えこの集まりがなかったとしても、
ここ数年で一番楽しみにしています。
セミナーやトークショーが非常に充実しているからです。
あまりのメンバーのすごさに選択に迷ったほどです。
考えてみれば、日本でのカーテンの歴史はまだまだ浅く、
業界全体がもっともっとレベルを上げていかなければいけない段階です。
ヨーロッパの展示会を形だけ真似して恰好を付けるより、
こうした位置づけで行われる方が良いのかもしれません。
そして、私たちと同じ(レベルは違いますが)一業者でありながら、
そのテクニックやスキームを公開してくれる方々がいることも、
本当に素晴らしいことだと思います。

セミナーやトークショーを体験して、それを自分の仕事へフィードバックする。
数年後に振り返ったときに、
『そういえば、あの年のジャパンテックスで受けたセミナーが、
自分がこの仕事をしていく上で一つの転機になったな~』と思えるような、
そんな展示会になると思います。

数年に一度、眠れない時に読む漫画に『マスター・キートン』があります。
全ての話が秀逸で、よく出来た映画や小説のように心に残ります。
その話の中に、主人公の恩師がロンドン大空襲に会った時のエピソードがあります。
その教授は空襲の直後、焼け野原に残った生徒にこう呼びかけます。
『さあ諸君!授業を始めよう。今こそ学び、新たな文明を築くべきです』
私も生意気ながら、インテリア業界の末端から、呼びかけさせて頂きます。
『めちゃくちゃ不景気です。今こそ学び、新たな文化を築き上げましょう!』

 

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アンポンタンの逆襲

久しぶりの更新です。
実はインターネット止められて…ではなく、体調を崩していました。
ちょうど前回のブログを書いた日から何となく調子が悪く、
休みの木曜日を待っていたかのように高熱が出て、あとはずっとその状態。
あやうく入院させられるところでした(苦笑)。
高熱でうなされている時に、
ロールスクリーンがどうしてもブラケットにはまらない夢を見た時は、
さすがに『仕事のし過ぎかな?』と思いましたが、
母に言わせると、『体調管理の出来ない大人は豚さん以下です』。
ぶ、ぶ、豚以下って…

そんな私に追い討ちをかけるように、今度は病院の先生からキツイ一言。
『サイトーさんタバコ吸うんですか?タバコなんて吸う人はアンポンタン以下です』。
今度はアンポンタン以下か…。
こうなると、一体自分は何より上なのかを考えた方が早そうです(笑)

さて今日は、まだ私が豚やアンポンタンより上だった頃の現場紹介です。
お客様のご希望はアジアン調だったのですが、問題は主寝室という事です。
リビングに比べてコストはかけられませんし、遮光性も必要です。
しかもコの字型に掘り込みのカーテンボックスがある為、メカ物も使いにくい状況です。
価格的にはカーテンで仕上げたいところですが、
今ひとつピタッとはまる生地がありません。
それなら作ってしまいましょう!という事で、こんな風に仕上げました。

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フロント生地は麻ライクなレースに、
オレンジとブラウンの横ストライプのドレープ(シンコール ML9375)を裾に胴接ぎ。
バックには遮光の無地ドレープという組合せです。
透け感のあるレースではないのですが、
アジアン調のイメージが強く出るよう、あえてレースを手前に持ってきました。
フロント生地はどちらもポリエステル100%の生地ですが、
形状記憶ではなく、あえて形態安定加工にしています。
レースとドレープという異なる生地の組合せの為、
形状記憶をかけることでインターの部分がツレてしまう可能性がある為です。

西側の滑り出しの2連窓は窓の大きさ・位置を考慮して、
お客様と相談の上、遮光カーテンではなくML9375でシェードにしました。
写真写りが悪いのでイメージがお伝えにくいのですが、
素晴らしい仕上がりとなりました。
これも全て、何度となく店に足をお運び頂き、
プランニングにお付き合い頂いたK様のお陰です。
本当にありがとうございます。

さて、何とか仕事の追いついた今週は、久しぶりに休みが取れそうです。
明日までは何とか天気も持ちそうですし、
朝7時37分に満潮を迎える絶好のタイミング。
まだ体は全快ではありませんが、
ここで行かなきゃ釣りバカの名がすたる!というものです。
もうバカでも豚でもアンポンタンでも何でも良いのです!
俺に釣りをさせてくれ~!

 

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風通しの良い窓と風当たりの強い私

ここ数ヶ月間、自分の釣りが出来ない状態が続いています。
仕事で休みが取れなかったり、用事が入ってしまったり。
たま~に出来ても夕方からになってしまったり…
いつも私が行く港はスゴ腕の人ばかりなのですが、私の師匠は別格です。
あるジャンルの釣りに関しては間違いなく日本一の実力者で、
色んな人、それも一般的にはスゴイと言われるレベルの人が、
色んなツテを辿って彼に教えを請いにやってきます。
彼がスゴイのはその超絶テクニックもさることながら、
教えられれば私レベルの者でも 『そうだよな』 と思える事なのに、
言われるまでは彼にしか気付かない事がある所です。
それは彼の釣りに対する真摯さゆえだと思います。
せっかく色々教えてもらったのに… あ~~~~思いっきり釣りしたい!

さて今日は、そんな海とは全く関係ない、
山々に咲く花がモチーフのカーテンをご紹介。
ウイリアム・モリスのハニーサックルです。
調べたところ、日本ではスイカズラが近い種のようです。
冬場を耐え忍ぶところから忍冬(ニンドウ)とも呼ばれます。

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掃出し窓はカーテン、造作出窓はシェードとなりましたが、
問題は写真には写っていない上げ下げ窓をどうするかでした。
奥様は風通しの良いものをというご希望で、
色々なプランをご提案しましたがどれもしっくりきません。

『それなら作っちゃいましょう』ということで、
再度奥様の希望を伺い、絵を描いて見ることにしました。
『まずは、あんまり値段が高くならないことかな』
ふむふむ。
筒縫いのカフェスタイルっぽくしても良いかな。
『カーテンみたいに左右に別れてて、風が通り抜けるものがいいわね』
ふむふむ。中央を割ってみよう。
『ヒダが出て、エレガントな感じになるのはちょっと…』
なるほど。それじゃあ耳立ては無くしましょう。
何か縛るものが必要かな?
『縛るもの?あ~特に要らないな~』
う~ん。もし必要なら残布で作るようにすればいいか。
で、めでたくイラストが完成。

しかしそこで、仕事に対して師匠並に真摯な私は気付いてしまいました!
『あ、あの~…これって…………ノレンです』

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高額なノレンになるので再度打ち合わせの時間を頂き、
ヒダはゆる~くカーブが出る程度に取ることにしました。
結局タッセルに類するものは付けなかったのですが、
将来的には付ける事を前提にレースのノレンも作り、一体縫製にしてあります。
奥様は納品をとても楽しみにして下さり、完成品にも満点を頂きました。

さて、冬を耐え忍ぶニンドウの問題は解決しました。
残る問題は、釣りにいけない秋を耐え忍ぶサイトウです。
実家の母から『庭に柵を作って欲しい』と言われましたが、
『ん?う~ん。考えとく』 とごまかしました。
妻から 『車のディーラーに行って欲しいんだけど』 とも言われましたが、
『あ~、そうだね。行けたら行けるかも』 と、意味不明な返答をしてスルー。
何としてでも釣りに行く、
その作戦名は…『ノレンに腕押し』です(笑)。

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チョイチョイアフター

最近になって急に忙しくなり、
お陰さまで今週は全て予定が埋まってしまいました。
と言っても全てが採寸や工事ではなく、アフターも入っています。
今日はシェードの幕体交換に行ってきました。
最近取り付けた現場なのですが、電気工事屋さんが幕体を汚してしまったためです。
幕体交換と言うとお客様は大変な作業を思い浮かべますが、
実際はチョチョイのチョイで終了です。

先日はツインシェードの操作位置変更もありました。
コード式の振分け右操作を振分け左操作に変更です。
幕体を全部外してコードを通したストッパーごと入替えます。
勿論、この位の内容なら、
チョチョイのチョイチョイチョイチョイチョイチョイチョイチョイで終了です。
(少し時間がかかっているようですが…)
ロールスクリーンのチェーン操作位置変更もありました。
メカ物の操作位置変更って何年もやっていないのに、
こうして続くのって不思議です。
必要な部品を取り寄せて交換作業。

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メカをバラしてチェーンを逆にし、中の部品を順番に入替えます。
まあ、私の手に掛かればこの程度の修理は、
チョチョイのチョイチョイチョイチョイチョイチョイポロッチョイチョイ… ン?
カチッチョイチョイチョイチョイチョイチョイで終了です。
(途中で何か落として、はめ直しませんでした?)
こうして私ができる範囲のアフターは良いのですが、
どうにも出来ず、事前にご了解を頂かなければいけないものもあります。
最近多くなったブラック系のレースです。

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白の芯地が使われるのですが、これが非常に気になります。
私の知る限りでは、東リさんが黒系の芯地を持っていますが、
仕上がりに大きな影響が出るのではないでしょうか?(良い意味で)。
そんな事を感じていたら、
あるお客様からシェードのウエイトバーについて同様のご指摘がありました。
今まで当店では、黒系レースのカーテンはあってもシェードはなく、
この方も他店様で既にご購入の方でしたが、
白のウエイトバーが目立ってしまうとの事です。
当店の提携加工所に聞いたところ、
同系色の無地の厚地を使ってウエイトバーを巻いたり、
袋縫いの折り返しを増やして対応したことがあるそうです。
やはり困ってらっしゃる方は多いようです。
どちらにしても、チョチョイのチョイというワケにはいかない問題です。
う~ん、何か抜本的な解決策はないものか…

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見えるも良し 見えないも良し

先日、知り合いの専門店さんが取引されている加工所の方がお見えになり、
カーテンの事や仕事全般に関することなど、色々な話をしました。
丁度お店は改装中の真っ只中でゴチャゴチャの状態だったのですが、
『機能レースのポップ良いですね』と言って頂きました。
特に何かスゴイ仕掛けのあるものではなくて、
『生地によって透け感が異なりますので、お客様に合ったものが選べるよう、
ご自宅でサンプルをチェックしてみて下さい』と書いてあるだけなのですが、
当店が気にして接客している部分に気付いていただけるのは嬉しいものです。

最近のカーテンは『遮る』というのが一つのキーワードになっています。
特に、遮光カーテンと遮像レースがメインです。
遮光カーテンの場合、お客様が等級を気にして選んでいただけるよう、
当店ではプライスカードに書かずに目立つタグを付けています。

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必ずその違いについて聞かれるのですが、
『1級は遮光率○○%で…』とご説明しても分かりにくいので、
『1級はほぼ真っ暗になりますがカーテンの上部や左右からの光漏れは起きます。
2級は朝眩しさで起きるほどではありませんが、生地全体が明るみを帯びるので、
光に敏感な方や三交代勤務などで昼お休みになる方には不向きの場合もあります。
『3級は普通のカーテンより遮る位の感覚ですので
 北西のお部屋なら大丈夫かもしれません』とお話します。
それでは皆さんが遮光率の高い1級を選ばれるかと言うと決してそうではなく、
1級にプリントが多く2級に質感のある織物が多いことをお話しすると、
多くの方は2級・3級を含めてお選びになります。

シャッターがある場合は遮光カーテンを使わないケースもあります。
最近取り付けたK様の現場です。
2階の主寝室にオパールプリントのレース(スミノエU3238)と、
無地のウエーブロンの組合せです。
通常はドレープを奥に合わせますが、
シャッターがあるためウエーブロンを合わせました。
微妙な透け感と白と白の組合せが上品さを際立たせて、非常にキレイでした。

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K様の場合は、色々な事情を踏まえてこの組合せとなりましたが、
『シャッターがあってもカーテンは遮光』という選択の方が当店では多いです。
夏にエアコンを使わずに網戸で寝る方が意外と多いからです。
特に50代以上のお客様に多く、
『4時半頃には日の出ですが大丈夫ですか?』とお聞きすると、
大抵の方は遮光カーテンを選ばれます。
遮像の場合は、遮光より難しいかもしれません。
道路や隣家との距離や位置関係、窓の大きさ等、
様々な要素を考える必要があるからです。
こちらも最近施工したT様の現場です。

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2階のホールにある滑り出しの3連窓。
とっても珍しいシャッター付きです(電動じゃないと出来ないので)。
ただ、このシャッターは台風対策に付けたので普段は閉めないとの事。
本来ならダブルシェードにするところですが、
東リのKSA5433をプレーンシェードにして取り付けました。
道路を挟んだ反対側の住宅に同じ高さの大きな窓があるのですが、
そのお宅は夜は必ずドレープを必ず閉めてらっしゃるので、
家の中が見えてしまうことがありません。
道路からは天井の一部しか見えないことを確認し、
プレーンシェードとなりました。

どうしてもこの手の生地の選択は、
色々な要素を考えるので時間がかかってしまうのですが、
今まで一番短かったのが二人の息子さんを抱えるあるお母さん。
『遮光カーテン?いいの!いいの!あんなのあったらいつまでも寝てるんだから!
 眩しくて起きるくらいで丁度いいんですよ』。
あの時だけは立場を忘れて本当に笑ってしまいました。
何だか自分が言われるみたいで(笑)

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コンセプトって…

川島織物セルコンの新カタログ、
プルミエの発表会に昨日行ってきました。
先行して行われた展示会をスタッフTさんに行ってもらったので、
サンプル選定はないのですが、
ヴィータやアップルシードの後継版となるこのカタログは
コンセプトが前面に打ち出される可能性が高く、
実際にカタログを見て製作者の説明を聞かないといけないと思ったからです。

感想は…良かったです。
一つは新しいカーテンの在り方を提示したこと。
好きな生地を選んでレースを合わせてレールを決めて…
もちろんそれだけでも満足のいく仕上がりには出来るのですが、
このカタログが言っているのは、
『そこから一歩踏み込んで、もっと自分らしさを演出しましょう』という事です。
これは消費者だけではなく、私たち販売店へのメッセージだとも思います。
『もっと専門店にしか出来ない提案をしていきましょう。
 その為の素材と仕組みは用意しましたよ』という事です。
そしてそれは、単にこのカタログ内の生地を組み合わせて完結するのではなく、
今後私たち販売店が意識して取り組んでいかなければいけないテーマのような気がします。

もう一つは生地の中に川島織物セルコンらしさがあったこと。
今のインテリアの状況はカタログを出すには非常に難しいタイミングです。
モダンを前面に出すには遅すぎる、
もう少しエレガンスやクラシックにシフトしたテイストもイマイチ広がりを見せない。
かと言ってメイン潮流はナチュラルでも北欧でもない。
様々なインテリアテイストを川島セルコンらしいセンスとブランド力でソツなくまとめ、
今後3年間を無難に乗り切れるカタログにすることもできたはずです。
でも安易にそこに逃げ込まず、
川島織物セルコンとしての答えを出したことは勇気の要ることだと思うからです。
もし今回のカタログに賛否両論があるのだとしたら、
それは素晴らしいことではないでしょうか?
多くのメーカーさんは、それを恐れてトライしていないのですから。

コンセプトって普通に日本語に訳すと『概念』なんでしょうが、
私たちの仕事で使う場合、それは『意志』なんだと思います。
前回のヴィータクラッセには正直それがあまり感じられなかった
(ゴメンナサイ)のですが、
今回は明確なカタログになったのではないでしょうか。

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