4センチじゃダメよ

今日は7年前にご購入頂いたお客様が、
私の事を覚えていて下さりご来店下さいました。
先月のお客様も、
新築時にお会いした際はもう他店さんでカーテンの注文をされた後でしたが、
やはり私の事を覚えていて下さり、ロールスクリーンのご注文を頂きました。
こういうのって、本当に嬉しいものです。

本日はカーテンの採寸。
戸建のリフォームをされている方ですが、
リビングは天井埋め込みのカーテンボックスになっていました。
ちょっとレールの間が狭そうだったので測ってみると
レールのランナーからランナーの間が40mmしかありません。

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実は、この寸法では3ツ山・2倍ヒダのカーテンはダメなんです。
ドレープカーテンを引くとレースカーテンの山にぶつかってしまい、
一緒に動いてしまうんですね。 (60mm空いていればOKです)
お客様には
①レールの感覚を広げる
②レースを箱ヒダ(当店では箱ヒダをもう1回巻き込む形にするケースが多いです)
の2つの対処法をご提示し、出来れば①の方が良いとお伝えしました。

こういった細かな点は見逃しがちですが、
築20~30年位の戸建に非常に多いケースです。
架け替えをご検討されている方はご注意下さい。

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戸建にもLT(裏ワザ編)

前回ご紹介したLTブラケットですが、
私の場合、『あるケース』で便利に活用しています。
お客様から『この部屋はレースだけでいいです』といわれるケースです。
この場合
① 将来的にドレープが必要になった時のためにレールだけはダブルで付ける
② それではかっこ悪いのでレールはシングルで付ける
の2通りが考えられます。
私の場合は②にしていますが、それはLTブラケットがあるからです。

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カーテンの寸法は『カン下』と呼ばれるレールの輪の下から測ります。
同じ位置にビスを打ってレールを付けても、
レールの種類によって、 この『カン下』の位置は変わります。
また、レールの種類や取付位置によってカーテンの上端を、
①レールが隠れる位置にするBフック
②レールにぶら下げる様にするAフック
にするかを指定しますが、
この2つのフックによって発注寸は同じでもカーテンそのものの長さは3cm違います。
このビス止め位置からカン下までの寸法とフックの誤差を利用するのです。

実は、シングルブラケットにレースを一重吊りした場合のカーテンの丈と、
同じ位置に(新たに穴を開けずに)LTブラケットを打ち直して、
レースを窓側のレールに架け直した場合のカーテンの丈は、
カン下からの発注寸は違いますがカーテンそのものの丈(総丈)は同じです。
写真を見ていただくと分かりますが、
レールの位置もカーテンのフック位置も違う
(右側はBフックで左側はAフック)のに、カーテンの上端は一緒になります。

簡単に言いますと、
『とりあえずレースだけにしたい』場合、
レールを一本にして正しいフック位置(Bフック)にしても問題はない。
後でドレープカーテンを追加することになった場合、
LTブラケットを使うことで新たに壁に穴を開けることなく、
寸法を変えずに対応出来るということです。
(全然簡単じゃない?)
この文章を最後まで読んで意味が理解できた方は、
今すぐにでもカーテン屋になれるかも
(そんなマニアックなことブログの話題にするなっつーの!)。

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マンションにLT

昨日はお休みで釣りに行って来ました。
(あれ?確か先週行ったばかりじゃ…)
結果は、41㎝のサバ一本。嬉しいような残念なような。
半身は塩焼き、半身は揚げて甘酢あんかけにして食べました。
(実は私、料理得意なんです)

さて、今日はカーテンの納品です。
実はこのお客様、マンションのリフォームをされていたのですが、
私の確認ミスで、採寸時にまだレールが付いておりませんでした。
ちょうど監督さんがいらして、
『普通のダブルのレールは何が良いでしょう?』
とおっしゃるので、私がレール・部品名を指定して取り付けてもらっています。

マンションの場合GLボードと呼ばれる不燃ボードかコンクリ下地が多く、
壁面にレールを付けられないケースがほとんどです。
その場合窓枠にレールを取り付けることになります。
今回の場合もそうですが、一般的なダブルブラケット(取付金具)を使うと
レール本体が窓枠より下になってしまい、光漏れがおきてしまいます。
もちろん見た目も良くありません。
そこで活躍するのが『LTブラケット』です。

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このブラケットは通常のブラケットとは反対に、
ビスを打った位置からレールが上に持ち上がるようになっており、
マンションのレールを付けるには最適です。
TOSOもレールカタログに大きなスペースを割いてPRしていますが、
採寸に伺うと、『LTブラケットを使えば問題ないのに…』というケースを
いまだに見かけます。

また、『マンションのレールをもう少し洒落たものにしたい』と
ご希望のお客様に、私はよくトーソーの『レガートMキャップ』を
オススメしますが、これはマンションのシンプルなイメージに合うことと、
このLTブラケットを使うことで、レールが持ち上がるためです。

お客様にはLTブラケットの特徴までご説明しないこともありますが、
いつかどこかで、『あれ?うちのレールはこんなに下がってないよ』と
気付いてくれたらいいなあと思っています。

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1400円の贅沢

きれいな青空で気分爽快。
窓を全開にして車に乗っていると最高の気分です。
でも、もうすぐ夏が来る!
実は私の工事用車は、エアコンが効かないんです!!
憂鬱だ…
さて、本日はブラインドの取付です。
私の大好きなカラーコーディネート仕様、通称カラコです。

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ラベンダー色をベースに5色の組み合わせにしました。
このグラデーション仕様が最も多いですが、
白地にピンストライプのブルーを入れた海仕様や、
ビビッドな色合いのボーダーなど、
これまでにも色々な組み合わせをしてきました。
価格は10色までなら15%アップ。
今回のお客様の場合、15mmスラットにて制作し約1400円のプラスでした。
たった1400円で満足度はぐーんとアップ。
オススメです。

ただこのカラコ、いろいろと大変なんです。
大まかな色の流れを決めて、あとは『お任せ』というケースが多いですが、
店でカラーサンプルの組み合わせを幾通りも試します。
グリーンでも、黄色の強いものや青の強いものなど
種類が異なるグリーンが何色もありますので、
ただ単純に組み合わせると失敗します。
ヘッドボックス・ボトムレール、樹脂部品・コード類の色も指定します。
納品の時はドキドキです。

色が決まったら次は発注ですが、
まず仕上がり丈からスラット枚数を出します。
15mmの浴室タイプの場合、(H-48.6)÷10=枚数(小数点以下切捨て)となりますが、
6色使って枚数が62枚となると2枚余ります。
この2枚をどうするか…
普通に最後のグラデを2色で終わりにするのか、はたまた別の方法にするのか、
これまでの自分の経験を信じて決定します。
1400円のプラスでは割りに合わない作業量かもしれません。
でも、いいんです!
ブラインドを検討されている方は是非ご検討下さい。
感動しますよー。

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隙間と透け感にご用心 その2

昨日はお休みでブログの更新ができませんでした。
釣りに行って来ましたが、結果はボーズ(イサキの子ばっかりでした)。
でも、遠くにあるウキを見ながら、
いつ沈むのかとワクワクドキドキするのって、いいんですよねえ。

さて、前回の続きです。
ロールスクリーンの場合、採寸・発注も重要です。
例えば窓枠内側の寸法が1653㎜なら、
ブラインドは1640mmで発注しますが、ロールスクリーンなら1650mmで発注しています。
揺れながら落ちてくるブラインドは片側1.5mmの隙間では当たりますが、
本体より生地が狭いロールスクリーンはギリギリで制作する必要があるからです。
その場合、窓の手前と奥で寸法が違わないかを確認しています。
取り付けの際も、チェーン式の場合は本体の隙間を左右均等にすると、
チェーン側の方が隙間が大きくなりますので、そのバランスも取ります。

窓を覆うように作る場合でも、
シェードやブラインドのように本体と生地(羽根)の幅が同じものと、
本体より生地が小さいロールスクリーンでは変えています。
発注寸法や取付などの細かな点は『お任せ』のケースが多いので、
お客様も気付かないかもしれません。
でも、とっても大事なことなんです。

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取り付けの際は、これから夏場が大変です。
汗をかいた手で生地を持つと、握った指跡がくっきりと残って消えません。
私は個人的に『悪魔の爪あと』と呼んでいますが、
誰も言う相手がいないので、 本日やっと言えました(笑)
ベージュなどの薄い色の場合は、特に目立ちます。
以前そんな話をお客様としていたら、
『サイトーさん、いいのあるわよ』とキッチン用のビニール手袋を大量に頂戴し、
今はそれを使っています(写真)。
ちなみに『悪魔の爪あと』は消しゴムでこすると少ーしきれいになります。
お試し下さい。

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隙間と透け感にご用心 その1

今日はロールスクリーンの取り付けに行って来ました。
6尺(約180㎝)の脚立を開いて階段に乗せ、
吹き抜けのFIXに取り付ける高所作業もありましたが、
計4ヶ所、1時間弱で無事終了。
お客様にも喜んでいただきました。
この瞬間が、この仕事の醍醐味なんですよねえ。

ロールスクリーンはカーテンに比べて、
生地選びや取り付けが簡単という誤解があります。
カタログを渡して
『生地が決まったら教えてください。取り付けはお客様でも出来ますよ』
なんて言ってしまうお店もあるようです。
でも、それはちょっと無責任だなあと感じます。

ロールスクリーンを選ぶ場合、まず気にするのは『透け感』です。
メーカーによって表現は異なりますが、タチカワブラインドの場合、
シースルー⇒ライト⇒ミディアム⇒プライバシー⇒遮光 と5段階に分かれています。
付ける場所や用途によって透け感を選ばないと、不便さを感じてしまいます。

操作方法はプルコード式とチェーン式の2つが主流ですが、
掃き出し窓にプルコード式で付けた場合、
生地が一番下まで下がっている時にしゃがんで操作する必要があり、面倒です。
逆にチェーン式の場合、
チェーン側が本体から生地まで17mmの隙間が出来てしまい、
それが気になる方もいらっしゃいます。
3交代勤務などで昼間寝ることがある方の場合、
遮光生地を選んでも窓枠内側に取り付けてしまっては、
隙間から漏れる光が気になってしまうはずです。

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写真はタチカワブラインドの人気シリーズ『竹スダレ』ですが、
このシリーズは見た目とは違い『シースルー』で、
夜は外から中の様子が丸見えです。
また他のシリーズよりチェーンの隙間が大きく、26mmあります。
お勧めする際は、これらの情報をお知らせした上でないと、
お客様にご迷惑をお掛けすることになるのです。
決して、カタログだけお渡しして『選んでください』で済む問題ではありません。

お客様が取り付けを希望されている窓が、掃き出しなのか腰高なのか、
夜を優先するのか昼を優先するのか、透け感はどれが適切か、
お客様の生活の様子に合っているか、
取り付け位置は窓枠内側と外側のどちらが適切か、
などを総合的に相談した上で初めて、一つのプランが決まります。
その他にも、ロールスクリーンの注意点は数多くあります。
それはまた次の回で。

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綿の魅力

最近はヒダを綺麗に見せる加工が人気です。
形態安定(簡易型で安価ですが数回の洗濯で落ちる)や
形状記憶(真空釜で加工する本格的なもの。洗濯しても落ちない)がありますが、
どちらの加工も綿やレーヨンは加工対象外となっています。
高温のスチームを当てる為、加工時に生地が縮んでしまうのです。
このまま形態安定・形状記憶が標準化されていくと、
各メーカーのカタログから綿やレーヨンが消え去ってしまうのではと心配しています。

綿の魅力は染色性の良さにあります。
色が綺麗に染まるんですね。
花柄に綿が多いのは、その為です。
ポリエステルも染色性の良い糸ですが、綿のような柔らかい染まり方はしません。
綿の染まり方は、人をリラックスさせてくれるのです。
また、空気中を糸埃(いとぼこり)が舞っても、
体内で分解・消化され体に蓄積されないという安全性もあります。
形態安定・形状記憶がかけられない、ウオッシャブル指定を取るのが難しい、
という理由で綿が消え去っていくのは淋しい限りです。

 

 

 

 

本日均一カーテンの新柄が届きました。
ブリティッシュカントリー風の綿の花柄です。
鮮やかで柔らかい染まり方は、綿ならではです。
水洗いはできませんし、色落ちもします。
梅雨時には湿気を吸って伸びてしまうなんてことも
あるかもしれません。

でも、気に入って頂けたら嬉しいなあ。

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アップルシードエスト発売

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川島セルコンの新カタログ『アップルシードエスト』が発売されました。
昨年4月に川島織物・川島織物販売・セルコンが1つの会社となって以来、2
冊目のカタログとなります。
これまで旧川島織物の『ヴィータ』が、
新会社初のカタログ『ヴィータクラッセ』となって発売されていますが、
評判はイマイチのようでした。
私自身、これまでのヴィータにあった
『新しいカーテンのあり方を若い方に提案する』
という気持ちが薄れているように感じます。
流行に合わせて無地を増やして、
傾向に合わせて配色を決めるというのは企業としては当たり前なのでしょうが、
『ヴィータファン』の私としてはちょっと淋しい感じですね。

話は戻って、新しく発表されたアップルシードエストの出来ですが…
『グッジョブ!』
欲を言えばキリがありませんし、
人気の生地が廃番になったのも勿体ないと思います。
でも、『お客様が感動するファブリックを作りたい』という
デザイナーの気持ちがヒシヒシと伝わってくる出来だと思います。
価格の制限が厳しいアップルシードとしては上出来ではないでしょうか。
レースに力を入れたのも嬉しいですね。
ドレープはソフトウエーブ加工(簡易型形態安定加工)が標準となりましたが、
当店ではポリエステル100%に関しては、形状記憶加工でお出しします。

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