有朋自遠方来 不亦楽

私がこの業界に入って12年程になります。
入った当時は、『オーダーカーテン○○%OFF』 という販売方法が主流でした。
販売側はその数字に意味がないことは分かっていつつも、
ある意味確信犯的に行っていたと思います。
しかし、50%OFFより高い60%OFFがあったり、
定価設定そのものへの不信感が消費者に浸透すると、
『1万円均一カーテン』 ショップが台頭します。
分かりやすい価格と大きくて敷居の低いショップ形態が人気となり、
運営会社のほとんどは全国チェーンとなりました。

さて今は?
住宅着工件数は落ち続けているにもかかわらず、
ニトリさんの勢いは止まりませんし、チェーン店は出店攻勢を続けています。
『○○%OFF』 という販売方法をメインにしている店は、
さらに過激な数字を出してアピールしています。
専門店には苦しい時代と言われていますが、
決してそんなシンプルな話ではないと思います。

お客様にそれだけのメリットを与えられない割引競争から脱却して、
『もっと専門的に』 『もっとお客様に喜ばれる店に』 という流れが
一部の専門店に起きています。
元々専門店にはそういった意志を持つ方が多いのですが、
今起きているその流れは、目指すレベルが違うのです。
ルネッサンスとヌーベルバーグが一緒に来たような感じです。

先日、愛知県の同業者の方とお会いして、
お酒を飲みながら色々な話をする機会がありました。
彼もまた、そんな素晴らしい 『一部の専門店』 を営む1人です。
気が付けば夜中の1時までカーテンの話をしてました。
男2人で(笑)
私もこの素晴らしい流れに乗れるよう頑張られねばと心を新たにしました。
愛知県でカーテンの購入を検討されている方、 いい店知ってますよ~!
*厚木市近郊にお住まいの方も、いい店知ってるので連絡下さい(笑)

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Say it isn’t so

ここのところなぜかメカ物のご紹介が続いています。
特に理由はないのですが、
この仕事をしていると同じ生地を選ばれるお客様が続いたり、
逆に普段あまりご注文のない商品が偶然続いたりすることがあります。
これが『流れ』ってものでしょうか?
今回も長い言い訳から始まるメカ物のご紹介です。

大柄プリントのカーテンにロールスクリーンの組合せです。

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最近はロールスクリーンを取り付ける現場が増えてきました。
低価格商品が出てきたことが大きな理由だと思います。
色を無視しての生地選びはできないので、大手3社でお選び頂くのですが、
実は当店なりの順番があります。

一番最初はA社。
生地に厚みがあり小さな窓でもヘナヘナ感がありません。
コースレッドを使いやすいブラケットもイイです。
2番目はB社さんで3番目はC社さんです(頭文字ではありません)。
C社さんが3番目なのは、昇降に対する違和感です。
確か3~4年前のことだったと思います。
『あれ?メカの素材が変わった?何かこのメカ揺れないか?』と思ったのです。
営業さんに聞いても『そんなこと聞いたような気がします』という返事。
一度同社の偉い方が来られたのでその時にもお聞きしたのですが、
『そんなこともあったかもしれません』と言う回答でした。
『そんなことはありません』と言ってくれたら、もっと扱いたいのですが…。

ちなみにB社さんが1番でないのはあくまでも生地の厚みが理由で、
マスコットの名前コンテストで外れたからではありません(笑)。
1等10万円!
営業さんが案内書を持ってきたその日に残業してまで考えた結果、
商品名である『マカロン』とその商品の特徴である
『色』を意味するフランス語『クルール』を合わせて…『マルルン』。

思いついたその瞬間から、受賞モード全開です(笑)。
翌日からは10万円の使い道に悩み始め、
A)妻にナイショの釣りパターン
B)会社の備品(PC)と半々パターン
C)新スタッフTさんとICの資格を取るための資金とするパターン
D)薄型テレビ購入の1点豪華主義パターン
の4通りを考え、どれにしようかと本当に真剣に悩みました(笑)。

なぜ!なぜ『ラルク』なんだ!

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どうか、そうじゃないって言ってくれ~!

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雨の匂い

休日の夜、
釣りが出来なかったせいか、いつもより喉こしの悪いビールを飲みながら、
プロアングラー・村越正海さんのブログを見ていました。
タイトルは 『雨』。
土砂降りの中、ある有名な写真家と渓流へ行った際の会話が綴ってあります。
村越氏が 『こんな大雨で大丈夫ですか?』 と尋ねたところ、
その写真家は 『ぼくはむしろ雨が大好きです』 と返したそうです。
そしてさらに、こう続けます。
『それに、渓流を取り巻く緑が乾ききっていては美しくない。
 雨に濡れた緑の葉や苔の方が美しいとおもいませんか』

これと同じことを私も言われたことがあります。
今から20年以上前。
場所は鹿児島県鹿屋市。
私はバイクで日本1周をしている途中でした。
その日は台風直撃でさすがにキャンプ(友人曰く野宿)は出来ず、
偶然市内にあったライダーハウスへ逃げ込みました。
ハウスと言っても農家の納屋を改装した所で、
『旅モード』の時でないと躊躇するような場所です。
そこに居たのがMさんでした。
Mさんは長崎の方で、お盆休みを使って九州をツーリングしている途中でした。

どんな話の流れだったのか、今となっては覚えていませんが、
翌日から私たち2人は、Mさんの家を目指して共に走ることになったのです。
翌日は台風一過には程遠い雨。
期待していた九州の景色は暗い雲と強い雨に遮られ、
ねっとりまとわりつくレインウエアの不快感を我慢しながらの旅でした。
2時間ほど走ったでしょうか。
国道沿いのドライブインで缶コーヒー片手に休憩を取っていると、
Mさんは私にこう言いました。
『雨で嫌だなあと思って走ってるでしょ』
『そりゃあ…まあ』
『それじゃあ今日一日がもったいないよ。雨の九州も良いなぁと思って走れば楽しいもんさ。
 それに、雨の方がきれいな景色もあるし』  
そんなこと考えもしませんでした。
そう言われて走ってみると見えないものが見えてきます。
山の中腹部に帯状に掛かる幽玄な霧、美しさを増す沿道の緑。
はるか向こうに見えるうっすらとした晴れ間…
どれも、さっきまでの私には見えていない景色でした。

彼の家に泊めてもらった翌日、
私は長崎から小さなフェリーを乗り継ぎ、天草から熊本へ。
雨の香りが残る島々に沈む夕焼けは、神々しいほどに美しく、
日本1周の旅で最も忘れられない景色になりました。

今日は妻が車を使うので電車通勤です。
外はまだあいにくの雨。
朝の晴れ間に騙されて、傘を持って来るのを忘れました。
たまには濡れて帰ろうか。

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振り返らずに語り続けろ!

いきなり本題から入ってしまいますが、結論から申し上げますと、
当店では木製ブラインドのメインをタチカワブラインドに変更しました。
理由はまずプーリーを残したことです。
これは操作の左右転換を可能にする為に『結果的に残すことになった』とも言えますが、
もし『必要以上の軽さ』(←これ重要)が必要ないのならプーリーはあった方が便利です。

そして、操作性を『適度に』(←これ重要)軽くしたこと。
83cmの仕上がり丈を上げきるのに12回の操作が必要なトーソーさんに対し、
タチカワさんは6回です。しかも決して重くは感じません。
窓が非常に大きい場合は考えますが、通常私共がよく販売する大きさでは、
この軽さと操作性が丁度良いあんばいだと思います。
タチカワさんの新メカも、操作を軽くするためギアは大きくしています。
しかも、プーリーを残していますので奥行きは増えるはずなのですが、
この問題を工夫で解決しています。

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左が旧メカ、右が新しいメカです。
左のプーリー中央にある白い部品(クラッチ=バネ)が右にはありません。
新メカではプーリーを薄くする為に本体内部に移っているのです。
タチカワさんによれば、
この部品が内部に移ることでバネにこすれず、操作性も軽くなるそうです。
また、旧メカでは膨らんでいた表面形状を平らにしています。

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デザインを変えなければ、トーソーさんと同じ奥行き96mmのはずです。
これによる違いはほんの2・3mmですが、
奥行き94mmなら納まる天付けが96mmだと納まらないケースが実際にあるのです。
知っていてこだわったのでしょうか?
見ていただくと一目瞭然ですが、
ギアを大きくしたのでヘッドボックスの奥行きは新メカ(左・こげ茶)の方が大きいのに、
プーリーを含めた奥行きは新メカの方が薄くなっています。
また、ヘッドボックスからバランスまでの距離も新メカは近くなっています。
ギアはトーソーさん同様、複数個の小さいギアで大きいギアを廻す方法です。

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旧メカ(左・ピンク)は1つになっています。
左右転換にするにはギアは両面2つが必要になることもありますが、
これにより、よりスムーズな操作が行えるのです。
ギアがより細かくなっているのも分かります。

もう一つは、アルミブラインド同様、高さ調整が出来ること。
木製ブラインドの発注単位は4cm単位のため、
理想の仕上がり丈と合わない場合があります。
取付位置を数cm高くすることで解決することもありますが、
2窓以上ある場合は片方だけ高くするわけにもいかず困ります。
これは寸法に厳密さが必要な天付けだけではなく、
正面付けの場合も便利な機能と言えます。

バランスの飛び出し調整は主にネット販売等、
販売者の詳しい説明がなくお客様が取り付ける場合は便利かもしれません。
私たちカーテン屋が使うケースではバランスの微妙な反り調整でしょうか?
あれば安心な機能ですね。
直して欲しい点があるとすればラダーテープの位置でしょうか?

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これはスタッフTさんが気付いたのですが
タチカワさん(上)よりトーソーさん(下)の方が格好良く見えます。
でも今回のモデルチェンジはキャッチコピーを作るためではなく、
使う方の身になった本当の意味での『改良』だと思います。
タチカワさんに拍手!

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振り返れば誰が居る?

当店の近郊エリアは丹沢・大山の玄関口に位置するためか、
今流行のロードレーサー(と言うのだろうか?)を多く見かけます。
以前、その趣味をお持ちのお客様にお聞きしたら、
何と1台ウン十万!もするそうで、びっくりしました。
いくら何でも自転車にウン十万って…
走っている方の大半はどうも私と同世代で、
いわゆる『ROADMAN(ロードマン)』世代です。
12段変速のギヤは当時の小学生の憧れでした。
どんな坂でもグングン上がっていけるあの爽快感!
と言っても私は持っていなくて、
それどころか友達Kとオンボロ自転車で走っていて3m下の川に落ち、
Kはその話を『さいとう君のケガ』というタイトルで作文に書いてしまい、
県のコンクールで入賞してしまったというトラウマまであります。

『振り返ると、さいとう君がいません』
って、人が川に落ちた話をそんなリアルに書かなくても…

最近ブラインド業界でも、
『軽~いギアでラクラク操作』というのが流行です。
特に木製ブラインドは、スラット(羽根)の重量の関係で、
各社こぞって新しいメカを出しています。
大手3社とも理屈は同じでギア比の変更がメインです。
ニチベイ・トーソーはプーリーも無くしました。

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シャフトの回転に対して平行にコードを操作することで、さらに軽くなるためです。

下の写真はトーソーのものですが、
軽く滑らかな操作性を実現するために、
小さな4つのギアで大きなギアを廻す仕組みになっています。

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でも、ここまで軽い操作が本当に必要なのでしょうか?
自転車と同じで、ギアを軽くすれば進む距離は短くなります。
当社のサンプル(トーソー社製)で試したところ、
高さ83cmの木製ブラインド(羽根幅50mm)を上げ切るのに、
何と12回もコードを操作しないといけません。
基本的にブラインドはスラットの開閉だけで一日過ごせるのがメリットですが、
掃出し窓やベランダ窓に取り付けた場合、
外に出るのに一体何回操作すれば良いのでしょうか?

トーソーの場合、ギアを大きくしたためにヘッドボックスが大きくなり、
一般的な窓枠の内側に取り付ける場合、
バランスが出っ張ってしまう寸法になってしまいました。
カタログには他メーカー同様、下の写真のような対応策が紹介されています。

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これは窓枠がクロスと同じ白だからまだ良いのであって、
とてもお勧めできる方法ではありません。
今回の改良?を私が残念に思うのは、
『操作がとっても軽くなりました』というキャッチコピーありきで突き進み、
振り返るとユーザーは置いてけぼり、という感があるからです。

結局当店では、今回のこの 『軽さ競争』 を契機に、
木製ブラインドの主力販売メーカーを見直すことにしました。
あまりマニアックな話を長々とすると、
『振り返ると誰もいません』ということになるので、続きは次回に(笑)

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普通って素晴らしい

今日は真壁に装飾レールを取り付けた現場の紹介です。
真壁とは柱が部屋内から見える仕上げになっている壁のことで、
これに対し、
柱の上から不燃ボードを貼ってクロス等で仕上げる壁を『大壁』と言います。
(最近はこちらの方が一般的です)

真壁の場合、柱と壁のチリ=出っ張りが合わない問題や、
化粧柱にビスを打つことが一般的に敬遠されることもあり、
大壁のように装飾レールを取り付けることはできません。
今回のK様の現場も同様です。

採寸時に建具屋さんがカンナで無垢の扉の微調整をしていたのですが、
『房掛けは柱に打つしかないのですが…』と言いかけた途端、
カンナを動かす手がピタッと止まりました。
勿論その言葉の続きには『そんなことは出来ないので』と続くのですが…
(そして再びカンナを削る音)
K様のご要望でウッディレジオスを付けることになったのですが、
以下の3点に付いてご了解を頂いての工事となりました。

1)柱の内側に取り付けるブラケットはビスが効かない可能性が高い為、   
  取り付けプレートの外側の穴から斜め打ちして柱の横にビスを効かせ、   
  内側の穴はアンカーで止める。   

2)柱のチリ(出っ張り)をレース用レールのネクスティーが超えられない   
  可能性があるため、その場合はふかし材を使用する。
  (薄いベニヤ板をブラケットに合わせてカットし、クロスに合わせて塗装)

3)光漏れを防ぐ位置でレース用レールをカットした場合、
  ドレープよりもレースが外側に来てしまった場合は、
  木製レールの裏側に小さいビスを打ち、
  ランナーがそのビスで止まる様にすることで調整する。

簡単に言いますと…とにかく万全を期しました(笑)
施工したのが下の写真です。

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無事にバッチリ納まりました。
心配したネクスティーの納まりもこの通り。

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建具屋さんの手を止めさせた房掛けの件は、
レース用ネクスティーと2階の機能性レールに
カーテンストッパーを付けることで解決しました。

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風の影響でバタつくことは考えられますが、
お客様と相談の上、ビスを打たないことを優先することとなりました。
今回の現場で唯一普通に取り付けたのがダイニングです。
大壁の窓枠の内側にビジックを取り付けました。

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あ~普通にビス打って商品が付くって素晴らしい!

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忘れえぬ言葉

今日は、昨日ご紹介したW様の2Fをご紹介。
各室とも当店の均一カーテンでお選びになりましたが、
素晴らしい仕上がりになりました。
まず最初はお子様のお部屋。

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アクセントクロスに合わせて、
オレンジがポイントカラーの遮光プリントをお選び頂きました。
写真では解りにくいですが、薄いオレンジ色のレースを合わせています。
ドレープは1.5倍ヒダ(形状記憶加工付)ですが、
このような大柄プリントは柄がはっきり見える分、2倍ヒダよりキレイです。
腰高窓は当初カーテンでのプランでしたが、
窓下に机を置くレイアウトのためシェードになりました。
事前に机の高さもお聞きしてのプランです。

次はもう一つの子供部屋です。

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こちらもアクセントクロスに合わせて、
ピンクがポイントカラーのサークル柄の遮光プリントをダブルシェードに。
レースは白のミラーレースを合わせています。
ピンクやブルーといった元気のある色には、
やっぱり『オフホワイト』より『ホワイト』の方が似合います。
女の子らしいとてもかわいい仕上がりになりました。

お次は何と(と言っては失礼かな)おばあちゃんのお部屋。

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若い方でもちょっと勇気の要る大柄プリントをお選び頂きました。
滑り出し窓は手前に置かれる家具の高さの関係で天付けにしてあります。
現在の住宅には、ほぼ100%クローゼットがありますので、
ベッドやタンス、机など家具の置かれる場所は必然的に決まってきます。
こうして事前にサイズやレイアウトを確認しておくことで、
窓廻り商品の選び方や取付位置を合わせる事ができます。

本当はもう一つ、ご夫婦の寝室があるのですが、
こちらはちょっと写真は撮れませんでした。
正直にお話しますと、工事でご迷惑をお掛けしてしまったのです。
今回の現場はプランが決まった時から
『ブログで紹介させて頂こう』と思っていたのですが、
実はこの事があり言い出せずにいました。
ところが工事後に伺った時の帰り際、
W様がハウスメーカーの監督さんに私を紹介する際、
『この人は窓際のサイトーさんって言ってね、
 この辺りのカーテン屋さんでは有名な人なのよ』とおっしゃたのです。
まさか私のブログを見て頂いているとは思わなかったので、本当に驚きました。
そして忘れられない一言になりました。
W様には本当に感謝しています。
ありがとうございました。

それから最後にもう一つだけ言っておかないと!
ご主人がモリスのカーテンを見てボソッとおっしゃった一言。
『くるまりたい…』は、今年のカスタマーズ・ワード・アワードの大賞です!

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誤解の向こう側

昨日はお休みで、気合十分4時起きでいつもの港へ。
数日前から準備万端整えて最高の一日になるはずが、
突然の雷雨! 結局、午後の晴れ間を待って、
師匠とマンツーマンで投げの練習です。

一体何時間竿を振っていたのだろう…
何とサウスポーへの転向を命ぜられて、左投げになっちゃうし。
俺って左投げが向いているのかな?と思ったらそれは大きな誤解のようで、
師匠曰く、『右(の才能)が無い!』
そうあっさり断言しなくても…(泣)
そして本日、特訓翌日の私を襲ったのは強烈な筋肉痛!
笑うだけで腹筋痛いし、車のドア開けるのも大変です(笑)

さて、今日ご紹介する現場はモリスのオンパレード。 平塚市のW様の現場です。

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リビングにはFF2124・ブラックトーン(ブラックソーン)。
日本語で『黒い棘』と意味する通り、イギリスの生垣に良く使われる木で、
桜のような可憐な花を咲かせます。
モリスの庭園にも植えられていたのかもしれません。
レースはその可憐さと合わせたコットンライクな小花柄の刺繍レース。
カーテンレールは照明に合わせてクラストのブラックを合わせました。
モリスに合わせるレールは木製かアイアンのブラス色という考えでいましたが、
これは私の誤解だったかもしれません。
初めての組合せでしたが、とてもきれいでした。

玄関前の滑り出し窓にはプレーンシェード。
こちらはFF2128・ラーモ。
以前はヴァインという名称で、その名の通り葡萄と柳がモチーフです。

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階段を上がったホールには色違いのFF2126。
立体感溢れる織表現はまさに川島織物の真骨頂です。

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モリスのカーテンを納品するたびに思うのは、
『柄や色数が多い=うるさく感じる』というのが大きな誤解だということ。
花や植物をモチーフにしたモリスのデザインは、もう一つの景色です。
自然豊かな美しい景色を『うるさい』と感じる方はいませんから。
ちなみにブラックソーンは『眠れる森の美女』で
『眠り姫』に刺された棘として使われた花ですが、
眠っていたのは『美女』ではなく『森』だそうで、こちらも誤解です。
そして、筋肉痛が『翌々日』じゃなく『翌日』にきたのは若い証拠だと思っているのも、
おそらく誤解のような気がします(笑)

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穴を開けたら入るのだ

窓業界の取り扱うカーテンやブラインド、ロールスクリーンと言った商品は、
歴史も古く構造もシンプルな分、『画期的な商品』 が出にくいと言えます。
私がこの業界に入ったこの10年ほどで考えると、
ダブルシェード、ドラム式ダブルシェード、形状記憶加工、
機能レース(ミラー・ウエーブロン等)、シルキーサート(これ画期的!)、
ビジックなどが思い浮かびますが、
私が最も画期的だと思うのがロールスクリーンのレーザーカットです。

他の商品が、便利さや機能性を追い求めた結果生まれた商品なのに対し、
この商品は『隠す為に付ける商品に穴を開ける』という
非常に面白い発想を持っているからです。
まさに業界に『風穴を空けた』商品と言えます。
最近取り付けた2つの現場です。

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玄関の靴収納庫の間仕切りに使いました。
お客様はクラシック系の柄をお探しでしたが、気に入ったものがなく、
レーザーカットのタイプ21をお勧めしました。
本来は窓に取り付けて光を楽しむ商品なので、
自然光の入らない箇所には不向きとも言えますが、
ダウンライトの距離も近くとてもキレイでした。
もう一つはトイレです。

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こちらはタイプ10。
最もプライバシー保護の求められる場所ですが、
『ガラスとトイレが感覚的に遮断されていれば良いですよ』という
お客様の一言で決定しました。

どちらもいわゆる居室ではなく、これまで取り付けた現場もそうでした。
『普通にロールスクリーンを付けただけでは面白くない窓』 に
この商品はピッタリなのです。
最近の戸建住宅に多い 『ファミリールーム』 などにもお勧めです。
ちなみに私は以前まさにその話をしているときに、
『このファミリーマートの窓ですが』 と言ってしまったことがあります。
あ~!穴があったら入りたい!(笑)

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シャープにいかなきゃ

先日の世界戦で長谷川穂積選手が負けてしまいました。
久しぶりに応援したいと思える選手だったので、残念です。
一説にはテレビ出演の多さが原因とも言われています。
話題のK選手など比べ物にならないほどの実力を持ちながら、
『話題性』 というテレビ局の都合で知名度は低かったのに、
『視聴率』 を取る為に借り出されたTV出演が原因で敗退したのは皮肉です。

私が小さい頃は、ボクシングがボクシング選手によって輝いていた時代でした。
それがいつの頃からか、テレビ局がチャンピオンを創りあげるようになり、
疑惑のゴングや判定が増えていき、結果的にファンは去ってしまいました。
今、私がファンだった大橋秀行選手がボクシング協会の会長になり、
改革を推し進めていますが、失ったファンの信頼を取り戻すのは大変でしょう。

さて、久しぶりにリターン縫製のシェードを作ったので、 事前に開梱してチェックをしたところ…

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げっ!左右がちゃんと畳まれない!
畳み上げるスピード(シェードが綺麗に畳まれるかどうかは上げるスピードが影響するのです)を
速くするともっとひどい状態でした。
通常リターン縫製はクロス巻き込みの窓に取り付けることが多いのですが、
今回は窓枠付きのためリターンを少し長めの4cmとしています。
その為、リングテープから生地の端までの距離が長くなってしまい、
生地の端が垂れてしまうのです。
幸いにもお客様のご入居には間に合う日程でしたので、
当社負担で作り直すことにしました。

考えられる対応策は、形状記憶加工かシャープシェードです。
シェードの形状記憶は加工した方が確実にきれいですが、
カーテンほど決定的な差はないというのが私の印象です。
実際当店のサンプルはリターン縫製ではありませんが、
上げるスピード次第でこれに近い状況になることがあります。

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形状記憶をかけてもこの垂れ具合が改善される保証はありません。
G様に相談したところ 『サイトーさんにまかせる』 との事でしたので、
シャープシェードでの再製作となりました。
と言っても、当店で通常製作する仕様ではありません。
シェイパーが細く表からもその存在が目立たない作り方です。
一見、プレーンシェードのように見えます。

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最近はこの縫製仕様を標準とするメーカー・加工所も増えているようです。
私は横のラインが強調されてこそシャープさが際立つと思っているので、
通常はこの仕様にはしていません。
今回は当初プレーンシェードでのご注文でしたので、
この 『プレーン風シャープシェード』 にしました。

ボクシング業界のように、『まあこの位は…』などど甘いことを考えていると、
お客様は去ってしまいます。
コストもかかりますし、お客様への謝罪もしなければいけませんでしたが、
やっぱり作り直して良かったと思います。
大橋会長は現役時代とは見違えるほど太ってしまいましたが、
今回のシェードはほどほどにシャープで、とてもよい感じです(笑)

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