アフター爆直り宣言

毎年この時期になると、
『ああ、もうこんな時期かあ』と感じる仕事が舞い込みます。
洗濯やメンテナンスに関する相談の仕事です。
特に多いのがシェード関連で、
『外して洗濯したけど戻らなくなっちゃった』というのが最も多いです。
接客時に幕体の取り外し・取付方の説明を徹底することと、
明細書に『シェードを外して洗濯後は取り付けてくれる』業者の連絡先を
書くようにしていますが、毎年末に同じ内容の電話を頂くということは、
今の対応策では不完全なのかもしれません。
取付の際の主な注意点は2つあり、
1つは幕体を取った際にぶら下がっているコードを結んでおくこと(=写真下)。
こうするとストッパーからコードが抜けることがありません。

シェード部品③

 

 

 

 

 

もう1つはコードアジャスターの巻き方の調整です。
幕体を一番下げた状態にし、リングテープにコードを入れたら
最後は幕体下にあるコードアジャスターに巻いて止めるのですが、
『ピンと張った状態から少し余裕を持たせて、
コードの余りを分少し短めにした分だけ巻く』のがコツです(=写真下)。
その方が幕体の平行が取りやすくなります。

シェード部品⑤

 

 

 

 

 

 

 

但し初期型クリエティーをお使いの方は、
コードの余り具合によってクラッチのかかる位置がずれてしまい
最後まで上がりきらない状態になることがあります。
その場合は余り分を調整して頂くとだいぶ良くなります。
一言で言いますと困ったら私に電話して下さいという事です(笑)
(当店でご購入のお客様に限っての話ですが)
部品破損で最も多いのはニチベイの旧型メカで、
『コードガイドがカケてしまった』というものです(=写真下)。

シェード部品

 

 

 

 

 

現行タイプは全てローラーが付いていますので、
私が現場に伺い交換しています。
昇降コードやコードストッパーも替えてしまえば、新品同様の使い心地になります。
トーソーメカで最も困るのが、コードが抜けてしまったケースです。
ニチベイに比べてコードが入れにくく、
金色の小さな部品(名称不明)が入れにくいのです(=写真下中央)。

シェード部品⑥

 

 

 

 

 

本当は繁忙期にアフターに動くのは大変なので、
メーカーさんに振っちゃおうかなという気持ちが頭をよぎるのですが、
今までお願いしたことはありません。
メーカーに頼って自分が楽をしてしまうと接客時に説明がおろそかになったり、
その場で直せる問題なのに対応できない結果になるからです。

アフターの電話を受ける時はいつも、
私の頭の中に大ファンのプロレスラー、故橋本真也の入場曲『爆勝宣言』が流れ、
『逃げるな!立ち向かえ』という声が聞こえます。
私は天を仰いで『はしもとっー!!!』と叫びながら、足早に車に乗り込みます。
そしてお客様のお宅に着くやいなや、こう言うのです……
『ご迷惑をお掛けして本当にすいません!!』
(カッコワルー!!)

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シタニミルナヨ!

伊集院静さん(小説家・故夏目雅子さんのご主人)のエッセーが好きで、
よく読んでいました。『文壇最後の無頼派』と呼ばれる伊集院氏らしい、
ギャンブルと酒場の話がメインの破天荒な日々が綴られています。
その中で黒鉄ヒロシさんが度々登場するのですが、
忘れられないエピソードがあります。

ある酒場での話。
ある人が『くだらないこと』を例えて『そりゃ漫画だな』と言った途端、
同席していた黒鉄氏は烈火の如く怒ったそうです。
その時は温厚な黒鉄氏の意外な一面を見た印象しかありませんでしたが、
今はその気持ちがとても良く分かります。

先日カーテンの納品に伺った現場で、
『またか!』と思わせるケースがありました。
リフォームをされたお宅でレールはリフォーム業者さんが付けたのですが、
付け方が間違えているんです。
実は、こういったケースは珍しくありません。
専門の職人ではなく、大工さんや内装(クロス)屋さんがレールを付けるからです。
最も多いのは2パターンあります。
一つは下の写真。

レール1

 

 

 

 

 

装飾レールとセットで付ける機能性レールの長さ間違い。
本来は装飾レールのブラケットの外側~外側で機能性レールの長さを合わせますが、
写真のようにポールの長さに合わせてしまうケースです。
これの何が問題なのか?
カーテンを架けると一目瞭然です。
レースが厚地の横からはみ出してしまうのです(=写真下)

レール2

 

 

 

 

 

もう一つは、装飾レールのスライド式ブラケットが伸ばされていないケース。
機能性レールとのダブル付けの時はブラケットを手前にスライドさせ、
レール間に適切な隙間を作らなければなりません。
そうしないとカーテン同士が当たってしまい、
ドレープを引くとレースも一緒に動いてしまう(もしくはその逆)のです。

レール3

 

《誤った付け方》

 

 

 

 

レール4

 

《正しい付け方》 *装飾レールのブラケットを手前にスライドさせている

 

 

 

写真で使用したローレットは、キャップがレールに被る長さが多いのですが、
それに気付かずカットしていまい、ポールがやけに短いケースも見かけます。
その他にもレールが窓巾や入隅に合わせてカットされていない、
カーブレールをベンダー無しで曲げてしまい変形しているなどのケースもあります。
私たちカーテン屋にとって、
お客様から『レールは大工さんがつけてくれるんです』と言われることは、
非常に怖い言葉なのです。

誤った付け方をする人のほとんどは、
『レールなんてビス打って止めときゃいいんでしょ』という考えなのです。
私たちカーテン屋が、使用する生地や天井高・レールの種類など
様々な内容を考慮して取付位置を決め、
専門の職人がレールごとの特徴に注意しながら取り付けていることなど知らないのでしょう。
『そりゃ漫画だな』と言った人同様、カーテン工事を下に見ているのです。
カーテンヤヲナメルナヨ!

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秘密兵器、その名は…

ここ数年のモダンブームで、
カーテンレールの世界も大きく変わりしました。
レールメーカーのトーソーに限って言えば、
アヴァンテやウッディ等の木製レールに変わって、
グレイスノーヴァやグレイスフィーノなどのアイアンレールが圧倒的な人気です。
それ以外にもコルティナやヴェルサなどもありますが、
こちらはあまり浸透していないようです。
デザインが非常に特徴的な為、お勧めするシーンがイメージしにくいのでしょう。

今回ご紹介するFさんのお宅は、
そんなモダン系レールの中でも特に個性的なアクートを使用した現場です。
無垢をふんだんに使った『和テイスト』の家ですが、
2階の寝室は板貼りの洋室になっています。
カーテンは既に決まっていましたが、レールの選定に迷いました。
木製レールでは合いませんし、普通っぽくなりすぎてしまう感じです。
かと言ってアイアンレールを使うようなモダンテイストでもありません。
悩んだ末にお勧めしたのが、アクート直角カーブ仕様でした。
実はFさんは、お店で私を待ってらっしゃる間にレールのカタログを見ており、
このレールが一番合いそうと思っていたとのこと。
私が同じ答えを出したので、
当店でカーテンを注文することを決められたそうです。
こういうお客様がいらっしゃることは励みになります。

アクートF邸⑥

 

 

 

 

 

 

アクートF邸⑦アクートF邸⑤

 

 

 

アクートはトーソーのセットが250cmまでしかないので(定尺の関係でしょうか?)
総長が290cmになるベランダ窓は部品取りしてジョイントしています。
3連窓のツインシェード(シャープ&プレーン)は、
アクートをバランスとして使用し統一感を出しました。
バランスの奥行きは15cmで発注し、現場でタタミ代に合わせてカットしました。
シャープシェードはシェイパーに一列飛ばしで引っ掛かるのでタタミ数が少なく、
その分タタミ代も少なくて済みます。
逆にプレーンシェードはタタミ代が大きいので、
バランスの奥行きも多く必要です。
シェードにアクートのバランスを付ける場合は、
生地の持つ雰囲気に合えばシャープシェードの方が良さそうです。
(プレーンだと前幕を下げたときにバランスの出っ張りが目立つ為)

実はアクートを使うのは今回が初めてで、
片輪のランナーの滑りがイマイチだったり、
オスカーのように脱輪するのではないかと心配していたのですが、
今回取り付けた感じでは問題なさそうです。
そしてなにより…このレールなかなかにイイ!
高校時代のバスケ部の監督に『おまえはウチの秘密兵器だ』と言われ、
本当に他チームには秘密のまま現役を終えた私と違い、
困った時に活躍してくれる真の秘密兵器になってくれそうです。

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ミスマッチは楽し

読売新聞に連載されている辻井喬(堤清二)氏の連載『叙情と闘争』が面白く、
掲載日の土曜日を楽しみにしています。
辻井(堤)氏と読売新聞という思想的ミスマッチだけでも充分魅力的ですが、
文化人と経営者というミスマッチを時に融合し、
時に苦悩しながら生きる氏の姿に心打たれます。
おそらくミスマッチと呼ばれるものの大半は他人が決めるもので、
当事者にとっては十分に咀嚼し得るものなのでしょう。

さて、ここまで理屈っぽく書いてきて本題です。
先日、東京都美術館に『フェルメール展』を見に行ってきました。

フェルメール

 

 

 

 

私を知る大半の人がそう思うように、絵のことなど全然分かりません。
日本人に圧倒的な人気の印象派の絵を見ても、チンプンカンプンです。
でもフェルメールだけは…好きなんだなあ。
何かを連想させるけれど決して明確には分からない人物の表情やストーリー性、
それを引き立たせる光の描写を見ていると、
その世界にどっぷりとはまってしまうのです。
フェルメール展が日本で開かれると新聞で見たときは、本当にワクワクしました。

会場は平日にもかかわらずものすごい人で、
ゆっくり絵をみる雰囲気ではありませんでしたが、
名画の数々を間近で見ることができ、感動しました。
『リュートを調弦する女』が以前はギターだと思われていたことも初めて知り、
(絵のタイトルって作者が決めてるのではないって事でしょうか?)
『ヴァージナルの前に座る若い女』が実はとっても小さい絵であることに驚き、
『ワイングラスを持つ娘』は頭が疲れるほどに真剣に見入りました。

実はこのことは、取引先のKさんにポロッと漏らした以外誰にも言ってません。
スタッフに『サイトーが美術館に絵を見に行ったらしい』なんて知れたら、
格好の笑い話になること必至です(笑)
インフルエンザの予防接種を受ける話をしただけで、
『サイトーさんらしくないなあ』なんて言われる位ですから。
一体どんな人だと思われてるんだろ?

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たまには偉そうに

ジャパンテックス①

 

 

 

 

年に一度のカーテン業界最大のイベント、JAPANTEX2008に行ってきました。
この時期が繁忙期ということもあり、 例年2・3時間しか見れないのですが、
今年は初めて一日見ることが出来ました。
それなのに……内容が良くなかった。
ブースには空きもあり、来場者も明らかに少なかったように感じます。
不景気で遠方の方は来場を見合わせる傾向があったのでしょうか。

景気が良ければ分かっていても許されていた問題も、
景気が悪くなると目立ってしまいます。
ジャパンテックスに関して言えば、開催時期と開催目的です。
なぜ一年で最も忙しい時期に行うのか?
そもそも何を目的としたイベントなのか?
これを良い機会として考えるべきかもしれません。

私の場合、ジャパンテックスを勉強の場として捉えています。
新商品のレクチャーを受ける場、
販売未経験の商品を見る場、
取引のない会社の商品を知る場、
展示会に行けなかったメーカーの新作を見る場です。
でも実際はイメージ先行型のブースが多く、
(今年は特に)得るものは少ないというのが実情です。
西と東にエリアが分かれているのですから、
西はメーカーの提案型ブースやイメージブース、
東はBtoBブースとするなど目的別に分けても良いかと思います。

ただ大きな収穫もありました。
『インテリアに熱い女性からの発信』というタイトルで行われたインテリアセミナーです。
塩谷博子さん率いるスタイリングプロの3人の方が講演をされました。
それぞれに非常に勉強になる内容で、
タイトルにある『女性』と言うよりは一人のプロとして、
仕事に対する姿勢が素晴らしいなと思いました。

それと今回もう一つ良かったこと。
それはニチベイさんの小さなリーフレットです。

ジャパンテックス③

 

 

 

 

各ブースごとに配られる『すぐゴミになるバックと資料』に
疑問を感じていましたので、非常に好印象でした。
いっそのこと受付時にバックの必要の有無を確認して、
共通バックを必要な人にだけ渡すシステムにしてはどうでしょうか。
参加される方の中には素晴らしいアイデアをお持ちの方も多いと思います。
景気が悪い時こそ、
何かを期待して入場者が増えるような展示会になって欲しいと願っています。

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人間万事塞翁が馬鹿

ラッキーは落とし穴の前兆です。
一人でイナダを2本上げた時に、そう気付けばよかったのです。

イナダ3

 

 

 

 

(やっぱりイナダは別格!合わせた瞬間ガツンとかましてくれます)
しかも気を良くして翌週は沼津の1級堤防『○浦』へ。

静浦堤防

 

 

 

 

富士を横目に見ながらの最高のロケーション!
地元静岡や神奈川県はもとより、
山梨や東京・千葉、長野!からも 腕自慢・飛距離自慢の釣り師が集まる場所で、
これまたラッキーにもメジ(マグロ)をかけ(バレタけど)、
『こりゃあ完全に自分に追い風が吹いてる!』と勘違い。
『こんどは仕止める!』と仕掛けを買い直し、リールも分解して完全メンテ。
我ながら『完璧だ』と浮かれていたのです。

そんな私にガツンと一発かましてくれたのが…店の横玄関の扉!
振り返った瞬間に『ゴン!!!!』 思いっきりアバラを打って、
翌日からはくしゃみをするだけで激痛が走るほど。
どうやらヒビが入っているようなのですが、
『肋骨は直るのを待つしかないからそのままにしとこう』と放置。
痛み止めの薬を持って翌々日は再び○浦へ。
4トン車に追突されムチ打ちになった翌日に、
鉄板のカーテンボックスにブラインドを10本付けた私ですから、
こんな事ぐらいはへっちゃらだと思ってました。

そして緊張の一投目。
ブンと軽く一振り…『い、痛い!!!』
体をひねる瞬間に激痛が走り見事バックラッシュ!
(両軸リール特有のトラブル。投げ方が悪いと起きる)
『よし、激痛が走ってもそのまま振り切ろう』と考え直して第2投目…
『い、い、い、痛って~~~~~~!!!!!!』
あまりの痛さにその場でうずくまってしまいました。
で、着いて早々帰宅するハメに。

マイッタ。この体では5m20cmの竿をフルキャストするなんて当面無理だ。
どうしよう…… このままでは一ヶ月は無理だ…
と、そこで気付いたのです!
『5m20㎝の竿は無理でも8フィートのルアーロッドならいけるんじゃないか?』
我ながらナイスアイデア!
こんなことに気付くなんて俺ってやっぱり天才かも?
で、翌週の休みはいつもの堤防へ青物狙いでルアーをやりに。
で、翌々週は仕事帰りに同僚のS君と○模川の河口へシーバスをやりに。
で、次の休みはエギング(エギと呼ばれるルアーでアオリイカを釣ること)予定。
で、自宅近くの海でヒラメルアーにも挑戦予定。
『肋骨ヒビ入っちゃったけど何か楽しいな』と感じる今日この頃です(笑)。

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炎の是正勧告

防炎ラベル2

 

 

 

 

 

今日はじゅうたん工事に行ってきました。
といっても施工は職人さんで、私は現場案内と終了確認だけです。
今回の現場は旅館でしたので、施工後に防炎ラベルを取り付けます。
これは消防法で義務付けられているもので、
不定期の消防署の検査で指摘されると、
次の指定日までに直しておかなければなりません。
以前はこのラベルも簡単に手に入ったのですが、
現在は申請を出す資格を得る為の講習を受け、
県の室内装飾事業組合に申請書(=写真下)を出して初めて、
必要枚数だけを入手できます。

防炎ラベル申請書

 

 

 

 

 

防炎ラベルは最終業者が貼ることになっているので、
工事用材料の場合、メーカーからはもらえません。
(最終業者は工事施工者になるため)
店舗関係の施工業者の場合、
防炎ラベル申請者の資格は必要不可欠なのです。

防炎の検査が厳しくなるのにはきっかけが必ずあり、
古くはホテルニュージャパンの火災。
最近ではドン・キホーテの放火です。
個人の場合でも高層マンションなどは義務化されていますが、
実際は形骸化しています。
しかし、店舗の場合は非常に厳しいのです。
ちなみに、店舗によくある排煙壁(=写真下)は、
消防署の検査ではチェックされません。
なぜなら…管轄が市町村だからです。

排煙壁2

 

 

 

 

 

主な対象は、カーテン・クロス・じゅうたんです。
それぞれ防炎効果は非常に高いのですが、
クロスの場合は限られた下地材に貼って初めて、防炎効果が発揮されます。
防炎クロスだけを炎の中に入れればあっという間に燃えます。
ちなみにアルミ・木製ブラインド類は、対象にはなりません。
以前、東京ビックサイトのイベントに出店されるというお客様が来店されたのですが、
その方によると展示什器に防炎指定があり『普通の木材はダメ』なんだとか。
木製ブラインドは対象外なのに什器はダメ?????
ビックサイト独自の規則なんでしょうか?

私の場合、ラベルを貼る工事が何故か多いのですが、
逆に良く貼られるのがレッテルです。
畳み方の悪い新聞、落ちてるボールペン、出しっ放しのサンプル類…
『ほぼ8割は冤罪だ!』と言っているのですが、本当は全部有罪です。
罪を認めると消防署より怖い是正勧告が待っています(笑)

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ザ・カントリースタイル

暫く振りの更新です。
『ちゃんと真面目に仕事してるんだぞ』ということを見ていただくためにも、
今日は珍しく、真面目な現場紹介です。
(カーテン屋のブログで、真面目な現場紹介が珍しいと言うのはおかしいのですが)

O町のIさんは、ログハウスの新居です。
自然豊かな当店周辺の地域では、他の地域より多いように感じます。
私自身、Iさんの現場で5件目になります。
ログハウスにカーテンをかける場合、いくつかの注意点があります。

1)窓の上端が揃っていないことが多いが、
装飾レールの取付位置を合わせようとすると、
片方の窓のビス止め位置がログの間に来てしまったり、
木の節があったして注意を要する

2)窓枠(ケーシング)のチリが多く、
普通の付け方では正面ダブル(装飾含む)ができない。
過去のケースでは家の残材を使って『ふかす』部材を作ったことも。

3)窓の開き方が特殊なものが多い

4)建ててからしばらくすると建物自体が縮むため、
床から1cm上がりで丈を作ると、後で床にべったり着いてしまう
(これはお客様とその都度相談しています)

苦労は多いのですが、
お客様のインテリアイメージが明確なケースが多く、
これまでの現場も楽しいものばかりでした。

Iさんの場合、サンゲツのチェック柄を使いたいということだけ決まっており、
その生地をベースに私からご提案をさせて頂きました。
今日納品したのが下の写真です。

I邸ログハウスリビング

リネン色の無地(CK8152)にIさんが選んだチェック柄(CK8153)を胴継ぎし、
タッセルにもチェック柄(CK8153)を。
窓に付けたピッコロスタイルのカフェカーテンは、
コットン調ボイルにCK8153の帯タッセルでまとめました。

I邸ログハウスシェード

 

プレーンシェードは掃き出し窓同様、
ベースを無地のCK8152に、
サイドボーダーをCK8153にしてあります。

 

 

 

ちなみに今回のプランは、
当初お客様の選ばれた生地の組み合わせを使って、
ごくごく一般的な内容の見積もりをした金額より、
少しですが安く仕上がっています。
もちろん、サンゲツに縫製を頼めばそうはなりません。
提携工場を持つ当店ならではのメリットと言えます。

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風呂上がりの夜空に

海外雑誌3

 

 

 

 

 

 

知人から海外のインテリア雑誌をもらいました。
最近は日本でも多くのインテリア雑誌があり、私もよく立ち読みします(買えよ!)
レールメーカーのトーソーからも窓装飾の本が何冊か出ています。
とても参考になるので、これも展示会の時は必ず立ち読みします(だから買えって!)
掲載写真の中から窓装飾に関わるものをいくつか紹介しましょう。

海外雑誌1

 

 

 

 

 

 

 

 

白を基調にしたダイニングルームです。
見えにくいかもしれませんが 白のテーブルクロスの下側はベージュになっていて、
逆にカーテンはベージュの無地に白のロープタッセルになっています。

海外雑誌2

 

 

 

 

 

 

ベッドルームです。
グレーのカーテンに鳥の羽のようなトリム。
カーテンと共布のクッションも同じ組み合わせです。
『洗濯できるかどうか』が非常に重要視される日本では、提案しにくい装飾方法です。

海外雑誌5

 

 

 

 

 

 

 

 

奥に見えるプレーンシェード、良く見ると右側に房掛けが付いています。
もしやコードストッパーがない??
シェードの掲載写真は他にも何点かありましたが、
昇降コードがウエイトバーと繋がっていないものもあり、
『これ下げきった時コードに手が届くの?』なんて疑問を感じるものもありました。

インテリア全体を見ると、徹底されているのはシンメトリー(左右対称)です。
とにかくこれでもかっ!という位、ほぼ全ての写真がそうでした。
あとはテイストをまとめながらも、
『その人のセンス』がしっかりと出ているというところ。
見ていて勉強になりますが、決して真似はできない印象があります。

今回見たうちの一冊は通販雑誌だったのですが、
その中で私の琴線に触れる商品を発見!!

海外雑誌6

 

 

 

 

 

 

外国人が鼻歌歌いながら片足を出して入るヤツです。
(そんな決まりはありません)。
『風呂上りにガウンを着て、
眼下の夜景を眺めながらロッキングチェアーに揺られて
右手でブランデーグラスを持って左手でシャムネコの頭を撫でるのが夢』
の私にとって、無くてはならないアイテムです。
何と日本円で4万円前後!
買おうかな~(それは買うのかよ!)

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私と父と大工さんと

先日用事があって実家に寄ったところ、
母から2冊の本を渡されました。
ある著名な方の回想録で、そこに父が登場するとのことでした。
私の父は生前建築設計士をしており、
その方の関係する建物の打ち合わせのシーンでした。
そこには
『設計士の斉藤さんが来られて、関係者の方々とカーテンを選んで行かれた』
と書かれていて、
今自分がその仕事をしていることに不思議な感慨を覚えました。

大学3年の夏、九州をバイクで旅していた私は、
母から父が最後に設計した家が博多にあることを知らされ、
寄ってみたことがあります。
突然の訪問でしたが、施主様は快く迎えてくださり、
豪華な食事と一泊の時間をくださいました。
『父の仕事は家の図面を引くこと』という認識しか無かった私にとって、
施主の方の歓待は驚くばかりで、
家を建てるという仕事の重要さをその時初めて知ったように思います。

先日市内のKさんの新築工事に伺いました。
大工さんの現場にかける情熱はすごいものがあり、
Kさんもそこに魅力を感じて、家を注文されたそうです。
『こりゃあ負けられないな』と私も気合が入りました。
出来上がったのが下の写真です。

秦野市K邸リビング

 

 

 

 

 

 

五角形にせり出したリビングに5連のダブルシェード。
丈は長めですがメカはパディナを使用。
ピッチは同室の小さな窓と合わせて約20㎝の均等ピッチにしています。
写真には撮っていませんが、
他の部屋も収納や家具の配置などを詳しくお聞きし、内容や寸法を決めました。

完成した家を思う時、
例えば設計士さんや営業さんや大工さんなど、
建設に関わった人の顔が思い浮かぶのは素敵なことだと思います。
私の父もそこにやり甲斐を感じていたからこそ、
あの時私は歓待されたのだと思います。
Kさんの場合はまず、あの大工さんでしょう。
でも、『カーテンはサイトーさんにやってもらった』なんて、
少しでも思って頂けたら、嬉しいなあ…。

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