弱気に自信満々なお仕事

前回、前々回と『逆吊り』の現場が続いたので、
今回は…『逆巻き』の現場のご紹介です(笑)。

M様は今年4月にご新築され、
リビングの2つの掃出し窓に木製レールとカーテンをお納めしました。
今回は、その上にあるW64×H204㎝の4つの採光窓です。
『暑くて食事も出来ない』とのことで、遮熱対策をすることになりました。
様々な商品の特徴や価格をご説明した結果、
決定したのは『低価格ロールスクリーン+木製バランス』という組合せ。

そして取付け当日です(いきなり…笑)。

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ロールスクリーン、バランス共に、
既に開梱されていますが、これにはワケがあります。
実は工事前にちょっと細工をしました。

バランスは下地の関係と、
奥行きの仕上がり寸法が取付金具の寸法に合わなかった為、
裏側のステーを外し、L金具を取り付けました。

ロールスクリーンは…『逆巻き』だからです。
今回の窓にはプーリーが付いており、それをかわさなければなりません。
その為、『逆巻き』にしたのですが、そのままではちょっと問題が起こります。

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『逆巻き』のロールスクリーンは、ウエイトが『巻き』の頂上を越えて、
奥で止まるようになっています(写真左)。
しかし、それではチェーンを引っ張っても降りてこない時があるのです。
その為、あらかじめチェーンのジョイント位置を調整して、
『巻き』の手前で止まるようにしています(写真右)。
今回バランスを付けるようにしたのは、
お部屋の雰囲気と合わせることもそうですが、
見た目のあまり良くない『手前で止まるウエイト』を隠したかったからです。
*写真は当店のサンプルで撮影用に試したものです

そしていよいよ取付けです。

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バランスはロールスクリーンが届いてから、
その奥行きを実測して発注したのでバッチリ。
問題のプーリーもちゃんとかわせました。
今回は『逆巻き』にしただけでは不十分でしたので、
スペーサーという『ふかし材』を2つ使用していますが、
念の為、ロールスクリーンの仕上がり丈を
価格の範囲内で最大にして直径を太くしています。

壁からの出っ張りが大きい為、仕上がり幅も慎重に決めました。
横から光漏れせず、窓幅ともバランスが悪くなく、
掃出し窓に付けた木製レールのブラケットより
チェーンが外側にくる位置で調整しました。
M様には店頭サンプルで実際のイメージを見て頂いてからの納品です。

そして、取付終了!
真下に位置する木製レールや梁、廻り縁との相性もバッチリ。

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木の感じ溢れるリビングに相応しい遮熱対策が出来ました。

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私はあまり自分で自分の仕事を褒めることはしませんが、
今回ばかりはちょっと別です。
観覧車に乗ると一言もしゃべらなくなる私が、
サウナに30秒も居られない私が、
高いわ暑いわで大変な高窓を4ヶ所もやり遂げたのですから。
(そこかよ!)
お陰さまでかなり高所馴れもしましたので、
高窓の遮熱対策は当店にお任せ下さい
字が小さいぞ(笑)

 

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逆吊りガンマン再び

同じ事を繰り返すと人間飽きが来るものです。
Tさんが仕事用の車に乗ってエンジンをかけたら
ラジオの音量は最大でワイパーは最速というイタズラをしたら、
次回は帰り際の車内で携帯で話しているTさんに声を掛け、
口の動きで『こ、れ、食、べ、て』と、
そっとカラのコンビニ袋を差し出したりと工夫が必要なのです。
私のタバコのフタをセロテープで閉じておくというイタズラを、
3回も繰り返すというのは工夫が足りないのです(笑)。

さて、前回は逆吊りの現場をご紹介したので今回は…
逆吊りの現場のご紹介です(笑)。
まずは秦野市のM様の現場。
前幕をニーディックのIM4631(ぺズレ)、
後幕をフジエテキスタイルのFA2010で
フロントレースのダブルシェードでお納めしました。

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担当したのは、イタズラはワンパターンですが、
プランのバリエーションは豊富なTさん。
通常ならベージュやブラウンを合わせてしまいがちな生地ですが、
オレンジ、しかも細い横ラインの入った生地を合わせる感性はサスガです。
お客様のご来店のタイミングから、
その後の打ち合わせは私が担当しました。
分繊糸にペイズリーが『織り』で表現されている生地のため、
ジョイントの位置が無地のボーダー部分になるよう指定し、
連窓でも柄の連続感が途切れず、
どの窓(全部で3窓あります)も両端がボーダーで終わるよう、
仕上がり寸法を調整しました。
お客様には分かり難い点ですので、
柄写真をコピーして切り貼りした幕体のイメージ資料を作成し、
事前にその意図をご説明しています。

お次は昨年ご新築時にご注文を頂いたI様の現場。
唯一カーテンを掛けなかったお部屋のご注文を頂きました。

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部屋内側にはコットン調ボイルに
ナチュラルな柄がプリントされたスミノエのD4030。
バックには少し赤みがかったブラウンの無地を合わせました。
ナチュラル感のあるレースに合わせて、
遮光カーテンですが、ざっくりとした質感のものを選んでいます。
レースは『逆吊り』で良く使われるオパールプリントではありませんが、
『透けない感じ』が適度でしたので、逆吊りでお勧めしました。

さて2回続けてフロントレースのご紹介となりましたので、
次回は違う内容の現場をご紹介したいと思っています。
同じ手法が3回通じるのは、
何となく私だけのような気がするので(笑)

 

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逆吊りガンマン

今日は一手間加えた『逆吊り』の現場のご紹介です。
まずは伊勢原市のS様の現場。
スワロフスキー・クリスタルがあしらわれた
スミノエのオパールレース・D4412と
ベージュのシャンタン調ドレープの組合せです。

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少し高めの位置にレールが付いていたので、
発売されたばかりのサイドキャップを後付けしました。
シルバーのキャップがモダンさを引き立たたせることもありますが、
一般的な機能性レールが装飾レールの扱いになるからです。
これにより、手前のレースをAフック(レールが見える仕様)に出来、
逆吊りという手法との相性も良くなります。
また、エレガントさのあるレースであることを考慮して、
逆吊りに多い1ツ山ではなく、
ヒダの感じがキッチリと出る2ツ山で縫製しています。

お次は平塚市のS様の現場。
こちらもスミノエのオパールレース・U3042と
グレーの無地ドレープの組合せです。
こちらは柄がはっきりと出るよう、
フラット感のある1ツ山で縫製しました。

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レールが既に付いている一般的なワイドスパンの窓ですが、
こちらはカーテンの仕上がり幅にも注意しました。
マンションで時々あるケースなのですが、
窓の右と左でレールの出幅が違っているのです。
S様の現場では左側は8cm・右側は40cm、窓からレールが出ていました。
これを考慮せず単にレールの長さを測って『両開き』で発注すると、
カーテンと窓の中央がずれてしまうのです。
そこで窓の中央から左右それぞれのレールの端を測り、
異なる仕上がり幅で仕立てています。

最後は平塚市のI様の現場。
こちらもスミノエのオパールレース・D4014と
無地ドレープの組合せです。

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こちらも1ツ山の縫製なのですが、
単にフラット感を出したかった訳ではありません。
この生地は横リピート25㎝で、
3ツ山・2倍ヒダで柄出し縫製になっています。
2ツ山で縫製すると柄がずれていく感じが目立つため、
ヒダの浅い1ツ山にすることで、不自然な印象にならないようにしました。

そして両開きの中央はこちらも同じく、
レールの中央ではなく最も目立たない入り隅の位置にしました。

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こうした細かな点に配慮してそれが仕上がりに反映されると、
お客様も最高の笑顔で見送って下さいます。
カーテン屋にとって最高の瞬間と言えるかもしれません。
こんな時私は、車に乗り込む瞬間にふと現場を振り返り、
『お客さん、俺で良かったな』と、
西部劇のヒーローのように伏し目がちに一人呟いて、
渋く現場を去るのです。
でも、『サイトーさ~ん!カンバ~ック!』と言われたら、
シェーンとは違い、車を止めて振り返ることにしています。
大抵の場合、現場に脚立を忘れているからです(笑)。

 

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割らずに育てた愛のお返し

今日は北欧生地を各部屋にお使い頂いた現場のご紹介です。
奥様は色々な生地のハギレを集めてしまうほどの北欧生地のファン。
初めてお会いした時には、既にご希望の生地が決まっていました。
ここで 『おっ!ラクな仕事でラッキー!』 と思わずに、
『さて、この生地をどんな風に仕上げたら良いだろう?』と思ってしまうのは、
カーテン屋の性(さが)なのでしょうか?(苦笑)。

まずはリビング・ダイニング。
マリメッコのボットナをシェードに仕立てました。
事前に生地を取り、F様と柄出しについてお打ち合わせをした結果、
『蓮の葉がランダムに散っていて、端も多少切れているような感じ』に
仕上げることにしました。完成したのがこちらです。

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ボットナをご存知の方は 『あれ?』と思うかもしれません。
実はこのシェード、2巾使いなのですが左側は天地を逆にしています。
そして、ここに至るまでの道のりは…長くなるので割愛します(笑)。

お次はお子様のお部屋。
こちらはピエニ・ウニッコのライム&グリーンです。
腰高窓はこの生地をプレーンシェードに。
ベランダ窓はあえて別の生地でカーテンにしました。
そうすることで、ウニッコの柄がより引き立つからです。

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カーテンに使用したのはサンゲツのCK8110。
グリーン&イエローという色の組合せも勿論ですが、
こだわったのは、ポップだけど子どもっぽくない 『感じ』。
この感じがなかなかなくて、全てのカタログを引っ張り出しては夜な夜な…
(これも長くなるので割愛…笑)

最後はご夫婦の寝室。
こちらは北欧生地の中でも大人気のマラガです。
子供部屋同様、腰高窓をマラガでシェードに。
ベランダ窓は別の生地でカーテンにしました。

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こちらはリリカラの新FDより、50562・50550・50520を使って、
裾切替えのカーテンに仕立てました。
通常、ポリエステルと綿では色の感じが合わず苦労するのですが、
このシリーズはマットな色具合が絶妙で、
綿とも合わせやすいラインナップになっています。
裾切替えの場合、色の割合は8:2という目安があるのですが、
今回はそれではちょっとバランスが悪いので、
生地サンプルを取って夜な夜な…
(これも長くなるので割愛…笑)
そして、写真のような割合となりました。

F様には本当に何度も打ち合わせにお付き合い頂きました。
もしかしたら、ご希望の生地をそのまま使うことも 『あり』 だったのかもしれません。
でも他店様ではなく、 『私』 にご注文を頂いた意味を考えると、
どうしてもそれは出来ませんでした。
こだわりの眼鏡店を営むF様が仕事への想いを話してくださった時、
それを話す相手として認めてくださったのかなと、
とても嬉しい気持ちになりました。
F様、本当にありがとうございました。

*F様の眼鏡店『ボアール』様のブログはこちら。
新しい形態の眼鏡店として、業界でも注目されているお店です。
http://opticalvoir.blog86.fc2.com/

 

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アニマル パラダイス

あれは確か4・5年前のことでしょうか?
ブラインドの修理依頼があり、ある動物病院に伺いました。
受付で看護士さん(と言うのでしょうか?)に用件を伝えると、
案内して頂いたのは6帖ほどの何もない部屋。
いや、確かに無機物は何もありませんでしたが犬が一匹いました。
首の周りにプラスチックのカバーみたいのを付けた大きなシベリアンハスキーが…。
『ブラインドの羽根が噛まれてガチガチになっちゃんですよ~』
『そうなんですか~。それで、どんな動物ですか?』
『このシベリアンハスキーなんですけどね』
『は?』
『じゃあ見てもらって、終わったら受付に来て下さい』
『いや、ちょっと待って下さい!この犬なんですよね?』
『えぇ。でも大丈夫ですよ。何もしないから』
『いやいや。明らかに何もしてなくないですよ。だってブラインドがグチャグチャに…』
『ハハハ。昨日はちょっとオイタが過ぎちゃったんですよね~』
『はぁ?』
『犬、苦手ですか?』
『いやいや、苦手って問題じゃなくて…』
『じゃあよろしく~』

そして部屋には2人(正確には一人と一匹)きり。
犬を越えて行かないとブラインドは見れない。
右手を上げてみる。
無視。
右足を一歩出してみる。
見る。めっちゃ見る。昨晩ブラインドを噛んだ時もこんな目だったんだろうか?。
5分経過。
『すいませ~ん!やっぱり無理です!』
あの時の、『この根性無しが』と言わんばかりの看護士さんの目を
私は一生忘れません(笑)。

さて、今日はそんな私の苦労をしっかりと覚えてくださり、
自宅マンションのカーテンを依頼してくださった優し~い先生の現場です。
(前置き長っ!)

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まさにそのお仕事に相応しく、
『動物の庭』を意味するボラスの『ユートラドゴッド』を選ばれました。
赤、青、緑をふんだんに使った色使いが特徴の生地で、
特に赤で描かれた蝶々が目を引くのですが、
よ~く見ると色々な動物が描かれています。
鹿、トカゲ、白鳥、鷲、キツネ、カエル、ウサギ…。
春の息吹と共に湧き出す動物たちのエネルギーを感じさせます。

寝室はガラッと印象を変えてシックな逆吊りに。

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(まだ照明がなく、写真がイマイチですいません)

こちらはレースの柄出しにこだわりました。
レースの場合、上部と裾は折り返しになるので柄の印象は薄まります。
(=どんな柄か分かりにくくなる)
そこで芯地の下から柄が始まり、折り返しの上で終わる位置で指定しました。

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写真左が上部。右が裾になります。
もちろん、柄の寸法を変えることはできません。
仕上がり寸法がちょうどその間に入ることを確認しての指定です。
お陰さまで先生にも大変喜んでいただき、
『あ、そうだ!今度病院も見てくれる?』とお声掛け頂きました。
先生、まさか動物が破壊した商品の修理じゃないですよね(笑)

 

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Shout to the top!

先日、家に帰って珍しくテレビを見ていたら、
トヨタの次世代車を放送していました。
SNSを活用してドライバーと車が対話しながら走るんだそうです。
快適さや利便性の高さは確かに重要なのでしょうが、正直何かしっくりきません。
それは多分、乗っている人が楽しそうなイメージが湧かないからだと思います。
快適さや利便性を求めれば求めるほど、車の運転は苦痛なものになり、
究極的には、『運転の必要のないものがベスト』で、
『必要無ければ最高』 な存在になるような気がします。
車業界で熾烈なトップ争いをする会社にとっては、
仕方がないことなのかもしれませんが。

さて今日は2つの現場をご紹介。
まずは年末にお納めしたI様のダイニング。
スパイスポットという名の北欧生地をご採用頂きました。

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I様は賃貸マンションにお住まいなのですが、
決してお安くないこの生地に一目惚れされ、
今あるレールを外して同じ位置にビスを打つ方法で納品しました。
仕上がり巾の関係で中央にスパイスポットを1巾、
両サイドには明るいグリーンの無地を足しています。
色の組合せはもちろんですが、
ダイニングという場に適したカラーを探して色々な無地を組合せ、
その中からお選び頂きました。
このシェードがあるだけでいつもより食事が楽しくなるような、
そんなダイニングになったと思います。

お次は、本日お納めしたY様のダイニング。
その人気ゆえに、業界では『いつも欠品』で有名な(笑)
ボラスのフォグリングストゥールをお選び頂きました。

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実はY様はスパイスポットを選ばれたI様のお母様。
数年前に当店でリビングに国産のカーテンをご購入頂いたのですが、
I様の仕上がりを見て北欧生地の魅力にはまり、
今回の掛け替えとなりました。
もう一つの色鮮やかな北欧生地と迷われたのですが、
その時のY様の言葉が私にはとても印象的でした。

『この生地を見てると元気になれるの。こちらの生地は心が安らぐのよね』。

国産の生地で、こんな言葉で選んでもらえる生地がいくつあるでしょうか?
そして、納品時に思い出したこの言葉は、
私がトヨタの次世代車に感じた違和感を明確にしてくれました。
それは、もしあの話をカーテンに置き換えた時、
『じゃあカーテンからマイナスイオンを出しちゃおう』とか
『色を変えられるカーテンを開発しちゃおう』とか
『光触媒で洗濯不要のカーテンをつくろう』とか、
そんな未来図を提示されたイメージがあったからなのだと思います。

先日、ツイッターで慶応義塾大学教授でデザイナー兼エンジニアでもある方が、
こんな言葉をつぶやいていました。
『実在する人をターゲットにして商品を開発することはとても有効な方法だが、
まちがった調査方法は、その人に直接 「どんな商品が欲しいですか?」と聞いて
その通りにデザインしようとする事だ。多くの場合、人は自分が本当に欲しいものを知らない』
アドレナリンが出て、空に向かって叫びたくなります(笑)

 

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風邪と共に去りぬ

最近、季節外れの風邪が流行っているようです。
特に喉にくるらしく、長い方は2週間くらい咳が続いています。
私の場合、咳系の風邪をひいて病院に行くと
『まさかタバコ吸ってないでしょうね?』と、
私の事をアンポンタン以下と呼んだ先生に怒られることは必至なので、
かなり用心しています(笑)

さて今日は、メカ物の仕上がり寸法にこだわった現場です。
まずはS様の現場。
当店ではタチカワブラインドをお勧めするケースが多いのですが、
その理由を踏まえて現場ごとにお客様と相談して商品選定をしています。
今回はトーソーのベネウッド・エコアを付けています。

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木製ブラインドはタタミしろが多い為、
掃出し窓から何㎝上げれば外への出入りがしやすいかを
計算式を使って算出し、高めの位置に上げて取り付けます。
その時、腰高窓は見た目の問題から取り付け高さを合わせるのですが、
問題になるのが仕上がり丈(下部分)です。
木製ブラインドは4cm単位の発注なので、
上に上げて付けた時に、下が長かったり短かったりすることがあるのです。
その場合、取り付け高さを微調整するのですが、
1つの窓には良くても、もう一つの窓には合わないこともあります。
その為、2つの窓にベストな寸法・取付高さを探し出します。

また、S様の現場は腰高窓の窓台のチリ(出っ張り)も考慮しました。
クロス巻き込みなので、そのまま付けるとブラインドを下げた時に、
窓台に当たってしまうからです。
この場合、スペーサーを使って本体を前に出すのですが、
問題なのはその必要のない掃出し窓をどうするか?です。
距離の近い2つの窓でバランスの奥行きや壁からの空き具合が違うのは、
違和感が出る可能性があります。
今回はこの点を踏まえて両窓ともスペーサーを使いました。

そしてもう一つ。
今回の現場では問題にならなかったのですが、
木製ブラインドを付ける場合、私が気にしていることがあります。
それは…ゲホゲホッ…1間の場合…ゲホッゲホッ…
あれっ風邪かな?(笑)

お次は縦型ブラインドを取り付けたW様の現場です。

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在来工法の住宅で左側の窓は内寸巾150cm。
この時点で私たちカーテン屋は『あれ?』と思います。
在来工法は柱と柱の中心が182㎝になっており、
通常は3.5寸柱なので、『182-5.25-5.25=171.5㎝』の間にサッシが入ります。
1間窓の内寸が165㎝あり、外寸が約170㎝なのはその為です。
その場合、窓の両脇の柱にビスを打つのですが、
窓の内寸150cmということは事は、
約15cmどちらかに寄っていることになります(=片側はビスが効かない)。
今回は窓の右側に91㎝の壁があることなどから、右に寄っていると判断。
ブラインドのタタミしろを逃がす分としてその寸法を活かし、
長めの仕上がり巾にしました。
もう一つの一間半はどうしたか?
それは…ゲホッゲホッ…ゲホッ…
やっぱり風邪かなあ(笑)

 

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似て非なるモノ

今日は、ちょっとアジアン風に仕上げたH様の現場です。

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リビングの2つの掃出し窓は当店の均一カーテンを使い、
ベージュの柄物を無地で挟んだ切替えのカーテンに。
カーテンレールはV21のBBキャップを合わせました。
一般的な機能レールにサイドキャップを付けただけの装飾レールですが、
切り替えカーテンの場合、ポールタイプの装飾レールと相性が悪いケースが多く、
非常に重宝します。
『キャップが変ると装飾扱いなのでレールの取付高さが変る』ということを、
お客様に簡潔に説明するのがちょっと大変ですが(笑)
似た商品でネクスティのサイドキャップもありますが、
今回は生地のボリューム感に合わせてV21・BBをお勧めしました。
この微妙な違いもまた、説明が大変です(笑)。

掃出し窓に挟まれた腰高窓にはニチベイさんのバンブーブラインド。
一般的にはシェードなのでしょうが、それではちょっと単調ですし、
H様のイメージから離れてしまうと思ったからです。

バンブーブラインドの良さは、竹独特の美しい木目や絶妙な薄さ、
ランダムな横縞模様や色具合にあります。
独特の雰囲気があり、私は非常に好きな商品なのですが、
実際にはメーカーも販売店も、『木製ブラインドより〇〇%安い』という
売り文句が定番となっているのは非常に残念です。
ちょっと渋め(色ではなく)の和室やアジアン調のお部屋に、
この商品は木製ブラインド以上に素敵な効果を発揮してくれるからです。

バンブーブラインドには、これにしかない魅力があり、
決して木製ブラインドの代替え品ではありません。
レールの違いもそうですが、
微妙な、でもとっても大切な違いを説明するのが、
私たち販売側の仕事ではないでしょうか。

 

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Do Your Best はお前だろ

先日の休みに長男のバスケの試合を見てきました。
試合はさておき、会場となった体育館で目に留まったのが
『 Let’s Try Your Best! 』と大きく書かれた対戦相手の横断幕。
いかにも中学生らしい初々しい言葉です。
覚えたての単語を使いたい気持ち。分かるなぁ。
これで右角に『 by〇〇〇〇 』(←人の名前)とか書かれていたら最高です(笑)。

さて今日は、北欧生地の代表とも言えるボラスのマラガをご紹介。
決してm単価がお手頃な生地ではないので、
滑り出し窓だけをマラガでシェードに。
掃出し窓はマラガのベージュと色を合わせて無地のカーテンにしました。

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カーテンレールはV21ウオームBBのライトブラウン色。
カーテンのタッセルをマラガで作り、統一感を出しました。

私のいつもの文章量から、『この短さで終わりはないな』と感じた方は…鋭い(笑)
このシェードを作る際、私は大きな思い違いをしていたのです。

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左が通常の当店の仕上がり寸法。右が今回決めた仕上がり寸法です。
『壷柄』と言われるマラガの柄は、
その切れ目が色の違いによって横線のようになってます。
写真左のように作ると幕体の上から少し下、と幕体の下から少し上に
その切れ目(線)が来てしまい、何となく違和感を感じるのです。
そこで写真右のようにその線で切るようにしました。
その為、窓の上下共に通常の当店の出し分より小さくなっています。
(現場写真ではエアコンがシェードの上に付いていますが、
これは仕上がり寸法が写真右となったことを受けての設置です)。
横の柄出しは縦に2列の壷がきれいにちゃんと出る寸法で。
カーテンなら良いですが、シェードの場合、
寸法上おかしくなければ、やはりこの柄を活かしたいものです。

そして店に戻り、加工所に柄出しの写真を送るため、
再度『幕体もどき』を作っていた時に問題に気付きます。
では、柄の全体写真見ながら、私の反省会にお付き合い下さい(苦笑)。

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『あ、耳からすぐに柄が始まるから最初の壷は切らなきゃいけないんだ』

『2列目(縦)の壷と3列目の壷で作ると4列目の壷は耳の折り返し部分に被るのか』

『てことは、1巾2台取るには5列目と6列目(一番右)で取るしかないか』

『ん?…………………ウソ?…………………マジで!………………』

『6列目は耳の折り返し分に取られるから柄がちゃんと出ないじゃん!』

そうなんです!生地巾と柄の大きさから、
当然1巾で2台取れると思っていたのが、ダメだったんです。
この生地は1巾に柄が3列ある、いわゆる『3カマ』の生地で、
柄が『耳なっていた』のです。
さて、ここで何の文脈の繋がりもないブログの最初の文章を思い出し、
『お前、最近覚えた今の言葉使いたかっただけだろ!』 と思ったそこのあなた!
……鋭い!(笑)
ちなみに今回の現場は当店負担でもう1巾取り、納めさせて頂きました。
今後は今まで以上に『 Let’s try my best! 』で頑張ります。by サイトー

 

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窓辺を彩るオンプラス

先日、横浜市港北区のリクシルのショールームで、
インプラスの講習を受けてきました。
既存の窓の内側に付ける『内窓』で断熱・結露防止効果があり、
今夏の省エネ対策として注目されている商品です。
東日本大震災の影響により住宅着工件数の落ち込みが予想される中、
私たちインテリア専門店としても重要な商材となっています。
私も今後予想される厳しい状況を踏まえ、
4月で勉強(ホップ)、
5月で準備(ステップ)、
6月でスタート(ジャンプ)の計画です。
飛んだらそこは崖だった…みたいなオチもありそうなのですが(笑)

さて今日はインプラスではなく、オンプラスした現場のご紹介です。
まずは前回・前々回とご紹介したI様の現場。

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1Fの客間にお選び頂いたウイリアム・モリスのカーテンです。
腰高窓1窓というお部屋の為、存在感を出すために丈は床までで製作。
窓の左側に壁面がないので、当初はレガートのMキャップの予定でした。
しかし、それではせっかくのモリスのカーテンがもったいない…。
そこでフラットバランスをオンプラス。

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柄合わせ分に少し足しただけの要尺で出来るのが、フラットバランスの良いところ。
大きな柄ではありませんのでカーテンの残布で作ってもキレイです。
バランスの下端とカーテンの内側にはサンゲツのトリムFU602を付け、
ちょっとアンティーク風な仕上がりにしています。

お次はスタッフTさんの現場。

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テレビの後ろの窓に取り付けたカラーコーディネートのブラインド。
それだけでもキレイですが、ボーダーの色に合わせてフラットバランスをオンプラス。

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ブラインドのベースカラーは掃出し窓のカーテンに、
ブラインドのボーダーとバランスの色は装飾タッセルに合わせています。
タッセルとの組合せを強調する為、
こちらもバランスの下にトリムを縫付けました。

どちらも当初はバランスを付ける予定ではありませんでしたが、
バランスを付けただけで、仕上がりは大きく変りました。
価格もちょこっとオンプラスですが、
それだけの価値はあるのではないでしょうか?
あとは 『いい仕事してるから来月から売上もオンプラス!』
という状況を期待するところですが…
ないな(苦笑)

 

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